料理教室は、特定商取引法で長期の契約に規制がかかる7つの役務(エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス)に入っていません。
単発の講座から継続の講座へ誘う時の料金、回数、解約の決まりは、法律が型を決めてくれないので、教室が自分で組んで、申込みの前に見せる必要があります。
募集の広告に補助金を使うなら、発注は交付決定の後に回し、今動かす募集は自己資金で進めます。
この記事の答え
- 講座は「単発」「シリーズ」「月会員」の3段で組み、単発の席の終わりに次に来る日を決めてもらう流れを作ります。
- 募集の文は「誰が、いつ、何を持ち帰るか」で書き、参加費は税込の総額で、食材費とキャンセルの扱いを同じ場所に置きます。
- 料理教室の募集費用のうち、広報費・ウェブサイト関連費として補助を受けられる物は限られます。料理の撮影に使う食材の購入費は対象外で、交付決定の前に発注した費用も対象外です。
料理教室の講座は単発・シリーズ・月会員の3段で組む
総務省の令和3年社会生活基本調査では、趣味としての料理・菓子作りの行動者率は19.0%で、5年前の17.8%より1.2ポイント上がりました。
10歳以上の約5人に1人が、1年の間に趣味として料理や菓子作りをしたことになります。
学習・自己啓発・訓練の種類別に見ると、女性は「家政・家事(料理・裁縫・家庭経営など)」の行動者率が17.7%で、最も高くなっています。
料理や菓子作りを趣味にする人は多いのですが、この数字は家で作る人も含むので、教室に来てもらうには、教室でしか得られない理由を募集の文で示す必要があります。
教室でしか得られない理由は、講座の形によって変わります。
1回で完結する単発講座は「その日に作れるものを持ち帰る」、決まった回数で進むシリーズ講座は「手順を順番に身につける」、毎月通う月会員は「予定が決まっていて、仲間と続けられる」が、参加者の得るものです。
3つを別々の商品として考え、単発の参加者が次の段へ進む道筋を、最初から用意します。
表は横にスクロールできます
単発講座は原価から参加費を逆算する
単発講座の参加費は、周りの教室の料金に合わせる前に、1回にかかる費用から逆算します。
次の数字は計算の例で、自分の教室の数字に置き換えて使います。
定員6人、参加費4,500円(税込)なら、1回の売上は27,000円です。
食材費が1人1,200円なら7,200円、消耗品と光熱費が1,500円、貸しスペースの時間貸し料金が3,000円とすると、手元に残る額は15,300円です。
準備と後片付けを含めて4時間かかったなら、1時間あたり約3,800円で、ここから税金や広告費を払います。
この計算で見るのは、定員の半分しか埋まらなかった時の残りです。
3人なら売上は13,500円で、食材費3,600円、消耗品1,500円、会場3,000円を引くと5,400円になり、4時間で1時間あたり1,350円です。
席が埋まらない回を想定して、開催する最低人数を決めておくと、中止にするかどうかで迷いません。
最低人数に届かない時は、開催の何日前に中止を連絡するかも、募集のページに書きます。
シリーズ講座は回数と途中参加の扱いを決める
シリーズ講座は、回ごとに習う内容がつながっているかどうかで、途中参加の扱いが変わります。
1回目の包丁の使い方が2回目以降の前提になる構成なら、途中から入る人には、最初の回の内容を別に補う必要があります。
各回が独立している構成なら、空いている回だけを単発で受けてもらう形にできます。
募集の文には、途中参加できるか、欠席した回を別の日に受けられるか、受けられる期限はいつまでかを書きます。
季節の行事に合わせた特別メニューの回を入れると、募集の言葉に旬の理由ができます。
初級、中級、上級の段階を分け、最後の回に修了証を渡す形にすると、参加者が続ける目標を持てます。
修了証は教室独自の物で、公的な資格ではないことを書きます。
料金は、全回分を事前にまとめて払ってもらう方法と、回ごとに払ってもらう方法があります。
まとめて払ってもらう方法は、教室にとって資金が早く入り、参加者も日程を空けやすくなります。
一方で、途中で通えなくなった人への返金の扱いを、あらかじめ決めておく必要があります。
回ごとに払う方法は、参加者の負担が軽く、申込みの迷いが小さくなりますが、欠席が増えやすくなります。
月会員は定員の確保と休会の決まりを先に書く
月会員は、毎月決まった日に席を確保する形です。
会員の席を先に確保すると、単発の募集に回せる席が減ります。
定員が6人の教室で会員が4人いるなら、単発に出せる席は2人です。
会員の人数と単発の席の配分は、月ごとの開催数と合わせて決め、会員が増えすぎて新しい人が入れなくならないようにします。
休会と退会は、いつまでに誰へどう連絡するかを書きます。
仕事や家庭の都合で毎月通えない人が出るので、1回休む場合の扱い、数か月休む場合の扱い、やめる場合の連絡期限を、申込みの前に読める場所へ置きます。
この決まりを後から作ると、すでに入会している人との間で食い違いが出ます。
出典: 総務省統計局 令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の要約
総務省統計局 令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要
消費者庁 特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供
2026年11月8日に確認
単発から継続へは席の終わりに次の日を決めてもらう
単発の参加者が継続に進まない理由には、内容が合わなかったことのほかに、次の予定を決める機会がなかったことがあります。
帰り道や翌日に、案内のメールを読んで、改めて申し込む手間を、参加者に求めない流れを作ります。
次の5つの順に進めると、席の終わりの10分で、次に来る日を決められます。
- 申込みの時に目的を聞く「家族に作れる料理を増やしたい」「ジャンルを学びたい」「気分転換に通いたい」など、選べる形で聞きます。
目的が分かれば、当日の案内を変えられます。
- 調理の途中で次の講座に触れる手順の説明の中で、「この包丁の使い方は、次のシリーズでさらに詳しくやります」のように、自然に触れます。
売り込みの時間を別に作らず、授業の流れに入れます。
- 席の終わりの10分で日程を見せる食べ終わったあとに、次の2回分から3回分の日程と講座名を、紙で渡します。
その場で申し込める方法と、仮押さえの期限を添えます。
- 帰りに作った料理の記録を渡す当日作った料理の手順と、家で作り直す時のコツを、1枚にまとめて渡します。
家で作った時に、次の講座が思い出されます。
- 申込みがなかった人にも連絡する翌日から3日以内に、お礼と次の日程を連絡し、案内を続けてよいかを聞きます。
断られた場合は、それ以降の案内を止めます。
継続しなかった理由は4つに分けて記録する
次の講座に進まなかった人の理由は、「日程が合わなかった」「料金が合わなかった」「内容が合わなかった」「目的が済んだ」の4つに分けて残します。
聞き出そうとせず、自然に話した内容と、アンケートに書いてもらった内容だけを記録します。
答えがなかった場合は「不明」と書きます。
日程が理由の人が多ければ開催日を増やす、料金が理由の人が多ければ講座の形を変える、というように、直す場所がはっきりします。
申請の締切は2026年12月15日 17:00
単発の料理講座や継続コースの募集でも、持続化補助金の事業支援計画書(様式4)は2026年12月4日までに発行を依頼し、受付期限後の依頼はできません。
制度の早見表では、自分の教室に合う制度が今日受付中かどうかと、上限と出典を1ページで見られます。
講座名と募集の言葉は「誰が・いつ・何を持ち帰るか」で書く
料理教室の募集でよく見かけるのは、パン、お菓子、和食、作り置きなど、ジャンルの名前で呼びかける書き方です。
ジャンルは、検索する人にとって入口の言葉になりますが、それだけでは、自分に合う講座かどうかが分かりません。
同じ「パン」でも、仕事帰りの人が週末の朝食用に焼く講座と、親子で作って持ち帰る講座とでは、時間帯も、持ち帰る物も、必要な道具も違います。
ジャンル名の後ろに、対象と時間と持ち帰る物を足して、講座名を作ります。
平日の昼に通える大人
時間に余裕があり、手順を丁寧に習いたい人を想定します。
講座名には、作る料理の名前と所要時間を入れます。
持ち帰る物の量と、食べて帰る分の量を書きます。
仕事帰りと週末に通う大人
短い時間で、翌日からの食事に使える物を持ち帰りたい人を想定します。
講座名には、開始時刻と終了時刻、持ち帰る料理の品数を入れます。
終了後の片づけが短く済むことも書きます。
親子と子ども
保護者と一緒に、または子どもだけで参加します。
講座名には、対象の年齢、保護者の同席の有無、使う火や包丁の範囲を入れます。
安全に関わる決まりは、募集のページに先に書きます。
講座の進め方には、参加者が自分で調理する実習と、講師が作って見せるデモンストレーションがあります。
実習は手を動かす体験になる反面、調理台の数で定員が決まります。
デモは定員を増やせますが、手を動かす体験は減ります。
デモにする場合は、後ろの席からも手元が見えるよう、鏡やカメラで映す設備が要ります。
親子や子ども向けの講座は、学校の休みに合わせて開く方法があります。
学校教育法施行令では、大学を除く市町村立・都道府県立の学校について、学期や夏季・冬季・学年末などの休業日を定めるのは、設置者の教育委員会です。
休みの日程は地域によって違うので、自分の教室がある地域の教育委員会や学校の公開情報を見て、募集を出す日を決めます。
料理の写真は実際に持ち帰る物と合わせる
募集に使う料理の写真は、講座の魅力を最も伝えます。
写真に写る量、盛りつけ、器、添えた飾りが、参加者が実際に作って持ち帰る物と大きく違うと、品質を実際より優れて見せる優良誤認表示になるおそれがあります。
撮影用に講師が整えた皿を載せる場合は、「参加者が作る料理は、この写真とは盛りつけが異なる場合があります」のように、写真のすぐ近くに分かる大きさで書きます。
打消しの注記は、文字が小さい場合や強調した表示から離れた場所に置く場合、気付かれずに不当表示になるおそれがあります。
「痩せる」「健康になる」の書き方
健康に配慮した料理を教える講座で、「食べて痩せる」「病気が治る」といった効果を約束する書き方は、根拠がなければ避けます。
講座で扱うのは、使う食材、調理の方法、1食あたりの量など、教室が実際に教える内容です。
「塩分を控えめにした献立を学ぶ」のように、教える内容そのものを書き、結果を約束しない表現にします。
出典: e-Gov法令検索 学校教育法施行令
消費者庁 不当な表示の禁止
消費者庁 打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点
2026年11月8日に確認
募集の手段は役割で分ける
料理教室の募集には、地図検索、ホームページ、SNS、外部の掲載サイト、チラシ、口コミなど、多くの手段があります。
ジャンルによっても、合う手段は変わります。
パンや菓子は写真で見せやすいのでSNS、健康や食事管理の講座は地図検索とホームページで内容を説明する、というように、見せたい物が写真で伝わるか文章で伝わるかで、中心にする手段を選びます。
手段の数を増やすことが目的ではありません。
それぞれの手段が、教室を知ってもらう役割なのか、講座を選んでもらう役割なのか、申し込んでもらう役割なのかを分けて、役割ごとに1つか2つを選びます。
地図検索とホームページは「選ぶ時」に見られる
教室の近くで講座を探す人は、地図検索で教室の場所を見て、ホームページで講座の内容と日程と料金を見て、申し込むかを決めます。
ローカル検索の結果は、主に関連性、距離、知名度で決まり、ビジネス情報が充実して正確なほど表示されやすくなります。
自宅や貸しスペースで開く教室は、住所をどこまで公開するかを先に決めます。
公開しない場合は、申込みの後に場所を伝える手順を、ホームページに書いておきます。
クチコミには返信で対応します。
写真は、教室の入口、調理台、実際に作る料理を載せます。
講座の曜日と時間は営業時間の欄に書き、臨時の休みは特別営業時間で反映します。
ホームページには、開催日の一覧を、日付順に並べて載せます。
講座の名前、時間、定員、残りの席、参加費を同じ行に並べ、押せば申込みページに進めるようにします。
日付が過ぎた講座は一覧から外し、過去の講座の写真だけを実績として別の場所に置きます。
講師の紹介ページには、経歴、資格、修業した店や教わった先生、得意なジャンル、顔写真を載せます。
誰に習うかは参加者が気にする点の1つなので、顔と手元が分かる写真を選びます。
ブログは、レッスンの報告と、了承を得た参加者の作った料理を載せる場にします。
題名には、地域名または駅名と、ジャンル、講座名を入れます。
「駅名 パン教室」のように、探す人が入れる言葉が題名と見出しに入っていると、検索で見つけてもらう入口が増えます。
SNSでは料理の写真と作る過程を見せる
SNSは、講座の雰囲気や、作る過程の楽しさを伝えるのに向いています。
料理の写真を載せる時は、参加者の手元や顔が写る場合、本人の了承を先に取ります。
講座の告知に加えて、講師の調理の工夫や、季節の食材の下ごしらえなど、見て役に立つ投稿を混ぜると、教室の考え方が伝わります。
申込みは、SNSのメッセージで受けず、申込みのページか電話、メールに一本化します。
Instagramは、プロフィールに、教室の地域、教える内容、申込みページへのリンクを書きます。
ハッシュタグは、地域名とジャンルを入れて、投稿の内容に合う物を選びます。
短い動画は、リール、YouTube、TikTokで見る人の層や長さが違うので、手順の短縮版を1つの場に絞って出し、続けられる本数を決めます。
コメントやアンケートには返信し、次の講座の希望を聞く材料にします。
LINE公式アカウントは、継続の案内に向いています。
単発の席の終わりに登録を案内し、次の講座の日程を登録した人に先に知らせます。
配信は月に決めた回数にとどめ、受け取りたくない人がやめられるようにします。
外部の掲載・予約サイトは手数料と連絡先の扱いを見る
講座の掲載と予約の受付ができる外部のサイトは、教室を知らない人にも見てもらえる入口になります。
使う前に、掲載料、予約が入った時の手数料、キャンセルが出た時の扱い、参加者の連絡先を教室が受け取れるかを見ます。
参加者の連絡先を教室が受け取れない場合は、継続の案内を出せないので、当日の席で、教室の連絡先を直接渡します。
外部のサイトだけに頼ると、サイトの規約が変わった時に影響を受けるので、自分のホームページの予約も並行して用意します。
広告は役割と測り方を決めて出す
検索広告は、「地域名 料理教室」のように、講座を探している人に出す広告です。
SNS広告は、まだ探していないが興味を持ちそうな人に、地域、年齢、興味関心を絞って出します。
どちらも、押した先を、ホームページのトップではなく、体験や単発講座の申込みページにします。
広告ごとに、表示された回数、押された回数、申込みの数を記録し、広告費を申込みの数で割って、1席あたりの費用を出します。
チラシ・ポスティングは配る範囲を絞る
チラシは、教室の近くに住む人に届ける手段です。
日本郵便のDMには、通常はがきを使う「はがきタウン」、ゆうメールの「タウンプラス」、郵便物の「タウンメール」があり、配達エリアは町丁目単位(はがきタウンとタウンプラスはマンション単位も可)で指定できます。
タウンメールの料金は25g以内で1通74円、50g以内で87円、100g以内で105円です。
タウンプラスは同時に500個以上が条件で、料金は郵便局に聞く扱いです。
はがきタウンとタウンメールは12月20日から翌年1月14日まで、タウンプラスは12月13日から翌年1月14日まで利用できません。
冬の講座の案内を郵便で出すなら、それより前の差出しにします。
自分で配る場合は、配る範囲と日を記録し、講座の申込みと見比べます。
電柱や街路樹への貼り紙は、条例で規制されている場合があります。
屋外広告物法は、看板、立看板、はり紙、はり札を対象とし、指定された地域や場所で表示するには、許可が必要です。
店舗や公共施設に置いてもらう場合は、管理者の許可を取ってから置きます。
フリーペーパーや地域の情報誌は、掲載の締切と配布の地域が媒体ごとに決まっているので、申込みの前にそれを聞きます。
地域の祭りや公民館のイベントで、簡単な調理の実演や試食の席を出す方法もあります。
出展の条件は主催者が決めるので、申込みの期限と使える設備を先に聞きます。
口コミと紹介は依頼の仕方に決まりがある
参加者の感想は、教室を選ぶ人にとって参考になる情報です。
令和5年10月1日から、広告であることを隠すステルスマーケティングは、景品表示法違反です。
参加者に頼んで、その人のSNSやクチコミサイトに感想を投稿してもらう場合、表示が必要かどうかは、その投稿が教室の表示(事業者の表示)に当たるかで決まります。
割引程度の特典があっても、事業者から内容の指示を受けずに本人の意思で書いた口コミなら、通常は事業者の表示には当たらないというのが、消費者庁のQ&Aの説明です。
料理教室が星の数や勧める文言を条件として投稿の内容を決めると、事業者の表示に当たります。
その投稿には、教室の広告と読者が分かる表示を付ける必要があります。
料理の感想を自由に書いてもらっても、投稿者と教室との関係で判断される場合があります。
依頼の文面には、感想の内容を教室から指定しないことを明記します。
教室のホームページに載せる感想は、実際にもらった感想をそのまま載せ、感想を書いた人の了承を取ります。
参加者から友人を紹介してもらう時は、紹介した人と紹介された人の両方に特典を付ける方法があります。
特典に金品を付ける場合は、後述する景品の上限の中に収め、条件と期間を書きます。
特典の条件にSNSへの投稿を入れる場合も、投稿する内容は指定しません。
出典: Google ビジネス プロフィール ローカル検索結果のランキングを改善するヒント
日本郵便 郵便局のDMご利用方法
国土交通省 屋外広告物制度の概要
消費者庁 ステルスマーケティングに関する表示規制
消費者庁 ステルスマーケティングQ&A
2026年11月8日に確認
参加費・キャンセル・前払いの決まりを募集の文に入れる
料理教室は食材を事前に仕入れるので、参加費とキャンセルの決まりが、教室の負担に直接つながります。
決まりが曖昧なまま募集すると、参加者との間で食い違いが起きます。
募集の文に入れておきたい項目を、次の4つに分けます。
参加費は税込の総額で書き、食材費の扱いを同じ場所に置く
事業者が消費者に向けて価格をあらかじめ表示する時は、消費税額を含めた税込価格の表示が義務です。
標準税率10%の講座料金には、「11,000円」「11,000円(税込)」「11,000円(税抜価格10,000円)」などの表示が認められます。
料理教室では、受講料に食材費が含まれるのか、別に払うのかが分かりにくいので、「参加費4,500円(税込、食材費を含む)」のように、含まれる物を同じ行に書きます。
食材費が別の場合は、受講料と食材費の合計の税込額を併記します。
初回限定の割引を出す時は、割引前の料金が実際の料金であることが前提です。
景品表示法は、価格などの取引条件を実際より著しく有利だと思わせる有利誤認表示を禁じています。
「通常5,000円のところ3,000円」と書くなら、その5,000円は、最近相当期間にわたって募集していた料金である必要があります。
消費者庁の考え方では、割引を始める時点からさかのぼる8週間のうち、その料金で募集していた期間が過半を占め、通算で2週間以上あり、その料金で最後に募集してから2週間たっていないことが、一般的な目安です。
募集していた期間が8週間に満たない時は、その期間で見ます。
実際に申込みがあった実績までは求められませんが、割引を見せるためだけに一時的に出した料金は、募集していた料金とは見られません。
過去の料金を「前回の料金」のように出す時は、その募集の時期と期間も書きます。
キャンセル料は食材を仕入れる日から逆算する
食材を仕入れる日が開催の何日前かによって、キャンセルで教室に生じる損害が変わります。
前日に仕入れる教室は、前日以降のキャンセルで食材が余ります。
キャンセル料の区分は、仕入れの日、予約を受け付けた人数、代わりの人が入れる可能性から決めます。
消費者契約法9条1号は、契約の解除に伴う違約金の条項について、解除の事由や時期などの区分に応じて、同種の契約の解除で事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分を、無効とします。
キャンセルの時期ごとに決めた金額が、その区分で同種の契約に通常生じる平均的な損害の額を超えていると、超えた部分が無効になります。
回数券と前払いは有効期限と返金の扱いを書く
シリーズ講座の一括払いや、回数券は、教室にとって資金が早く入る反面、参加者が通えなくなった時の扱いを決めておく必要があります。
有効期限、有効期限が切れた回数券の扱い、途中で退会する場合の返金の計算方法を、購入の前に読める場所に書きます。
返金の額は、前払いした料金から、すでに受けた回数分の料金と解約料を引いて計算する形にします。
引く解約料は、解除の時期などの区分ごとに、同種の契約の解除で教室に通常生じる平均的な損害の額を超えない範囲で決めます。
特定商取引法の特定継続的役務提供の対象ではないため、中途解約の精算の型を、特定商取引法は決めていません。
教室が決めた精算の方法と計算の例は、購入の前に読める場所に書きます。
参加者へのプレゼントは景品の上限に収める
体験に来た人にエプロンや調味料などを渡す場合、景品表示法の景品規制の対象になります。
利用者や来店者を対象に金品などを提供することは、取引に付随する景品として扱われます。
懸賞によらずに配る景品類の上限は、取引価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の20%です。
参加費4,500円の講座なら900円までで、これを超える物を全員に渡す設計にはしません。
一方、当日に作った料理を持ち帰ってもらうことは、講座の内容そのものです。
食物アレルギーは申込みの時に聞く
食物アレルギーの有無は、申込みのフォームで聞きます。
該当する食材を選べる形にし、「なし」を選ぶ欄も置きます。
聞いた内容は、講師が当日の献立と照らし合わせ、対応できない場合は、開催の前に連絡して参加を断るか、別の講座を案内します。
衛生や保険の準備は、料理教室の開業で決める場所・保健所・資金の記事にまとめています。
出典: 国税庁 No.6902 総額表示の義務付け
消費者庁 不当な表示の禁止
消費者庁 不当な価格表示についての景品表示法上の考え方
e-Gov法令検索 消費者契約法
消費者庁 景品規制の概要
消費者庁 特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供
2026年11月8日に確認
記録で単発から継続への転換を見直す
募集を見直すには、講座の形ごとに、申込みから継続までの数字を並べます。
数字は、講座ごと、開催日ごとに分けて残します。
予約欄の「講座をどこで知りましたか」では、地図検索、ホームページ、SNS、外部の掲載・予約サイト、地域の紙・看板、口コミ・紹介、地域の催しを選べるようにします。
検索広告はホームページ、SNS広告とLINEの継続案内はSNS、チラシ・ポスティング・情報誌・掲示は地域の紙・看板の内訳にし、媒体名も聞きます。
数字を見る前に、運営の目標を決めておきます。
月に開催する回数、1回の目標人数、継続講座に進む人数のように、数えられる形で書きます。
目標がないと、満席率や転換率が下がったのかどうかを判断できません。
表は横にスクロールできます
転換率が低い時は、まず次の講座の日程を、席の終わりの紙で見せているかを見ます。
満席率が低いのに欠席率が高いなら、申込みから当日までの間隔が長すぎる可能性があります。
申込みを受けた翌日と、開催の前日に、短い連絡を入れます。
経路が分からない申込みは「不明」と数え、集計に含めないようにします。
講座ごとの数字がそろったら、続く講座と続かない講座を比べます。
続く講座の共通点が、ジャンルなのか、時間帯なのか、講師の説明の仕方なのかを見て、次の講座の設計に使います。
数字が少ない間は、1回ごとの差を気にしすぎず、数回分をまとめて見ます。
料理教室の募集に使える補助金の範囲
持続化補助金の一般型で、料理教室の募集に使えるのは、広報費とウェブサイト関連費です。
料理の講座を宣伝する費目は、広報費が30万円(補助金額の上限)、ウェブサイト関連費が30万円(補助金額の上限)で、片方の費目だけでは申請できないため、ほかの対象経費と組み合わせます。
広報費は、チラシの外注や発送、新聞や雑誌への広告、看板の作成と設置、インターネット広告、SNS広告と運用代行などが、対象の例に挙がっています。
ウェブサイト関連費は、顧客管理システムの構築が例にあり、講座の予約を受けるページは、販路開拓のためのウェブサイトとして申請できる場合があります。
料理教室で注意するのは、公募要領の対象外の例です。
チラシやウェブサイトに使う画像の被写体や商品の購入に関する経費は、対象外です。
広告用の料理写真を撮るための食材の購入費は、補助の対象になりません。
チラシなど配布物の未配布分や、補助事業の期間外の掲載や配布も対象外で、名刺や商品券も同じです。
有料の講座で使う動画や電子教材の作成費は、ウェブサイト関連費で申請できないので、有料配信のオンライン講座の動画制作費は、この費目に入れません。
設備や貸しスペースに関する補助金は、料理教室の開業で決める場所・保健所・資金の記事で扱っています。
制度の全体は教室の開業と経営で使える補助金・助成金の記事にあります。
交付決定の前に発注した経費は対象外
先に配ったチラシは補助の対象になりません
料理教室のチラシや予約ページも、持続化補助金の交付決定前に発注すれば、広報費・ウェブサイト関連費の対象には入りません。
支払いを後に回しても、この扱いは変わりません。
今出す講座のチラシは自己資金で作って配り、補助金は交付決定の後の募集に当てます。
出典: 第20回 公募要領 第8版
交付決定の目安は2027年4月から5月頃で、これから出す春の講座の募集には間に合わない見込みです。
料理教室の広告は、交付決定後の夏・秋の募集に加え、翌年春の募集用でも、年明けから3月までに掲載や配布と支払いを終えれば、補助事業の期間に含まれます。
発注と支払いの期限は2028年3月31日で、実績報告は補助事業を終えた日から30日を過ぎた日と2028年4月10日の早い方です。
補助金は後払いで、採択されない場合や減額される場合もあります。
補助金が入る前提で、広告の量や、継続講座の料金を決めないようにします。
出典: 小規模事業者持続化補助金 一般型・通常枠 公募要領
2026年11月8日に確認
例: 東京都で個人が開く料理教室の場合の制度の一覧
この一覧では、東京都で開業から1年以上を経た料理教室を、従業員を雇わない個人事業主が運営し、広告とホームページに投資する場合を取り上げています。
料理教室の所在地や従業員の雇用状況などがこの例と異なる時は、利用を検討する制度も変わります。
制度情報を読み込めない場合は、制度の早見表で条件を確かめてください。 制度の早見表
この例では対象条件外の制度
- 小規模事業者持続化補助金(創業型) 第4回:開業日が対象の期間の外
- デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) 7次:この例の使い道に当たらない
- デジタル化・AI導入補助金2026(インボイス枠・インボイス対応類型) 7次:この例の使い道に当たらない
- 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) 随時受付:この例の使い道に当たらない
- 中小企業省力化投資補助金(一般型) 第9回(予定):この例の使い道に当たらない
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出枠) 第2回:雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない / 投資額が補助の下限の750万円に届きません
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠) 第2回:雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない / 投資額が補助の下限の100万円に届きません
- 業務改善助成金 2026年度:雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない
- キャリアアップ助成金(正社員化コース) 通年(計画の届出が先):雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない
- 人材開発支援助成金 通年(訓練の計画の届出が先):雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない
ほかの条件の教室で、どの制度が今日受付中か、締切と上限と出典を一覧で見たい場合は、制度の早見表で見られます。
料理教室の集客でよくある質問
最初の講座は安くして人を集めてもよいですか
初回だけ安くする方法はあります。
割引前の料金が、割引を始める時点からさかのぼる8週間のうち過半の期間、通算2週間以上募集していた料金であることが目安で、割引の条件と期間は、料金の近くに読める大きさで書きます。
割引で集まった人が、通常の料金の継続講座に進むかは別の問題なので、継続講座の料金と内容も、初回の席の終わりに見せます。
ジャンルは絞った方がよいですか
教室を立ち上げた直後は、1つか2つのジャンルに絞って、講座の名前と写真をそろえる方が、検索する人にも伝わりやすくなります。
講師が得意なジャンルを軸にし、参加者の希望を聞きながら、ジャンルを広げていきます。
ジャンルを増やす時は、既存の会員の席を減らさない範囲で、別の曜日に置きます。
定員を超える申込みが来た時はどうしますか
キャンセル待ちの名簿を作り、キャンセルが出た時に、申込みの順に連絡します。
名簿に載った人には、同じ講座の別の日程を案内して、そちらを選べるようにします。
定員を超えて受け入れると、調理台と講師の目が行き届かなくなるので、教室の設備に合わせた定員を守ります。