教室・スクールの集客を設計する手順と施策の選び方

生徒集め公開
この記事の目次
  1. 集客の前に定員と最初の1人を決める
  2. 生徒が教室を選ぶまでの5段階
  3. 集客の手段を役割で選ぶ
  4. 地図検索で見つけてもらうGoogle ビジネスプロフィール
  5. ホームページに載せる項目
  6. チラシ・看板・掲示で近所に知ってもらう
  7. SNSとLINEで続ける
  8. 紹介・口コミ・体験の特典に関わる決まり
  9. 体験レッスンを入会につなげる
  10. 契約と月謝の案内で守ること
  11. 数字の記録で施策を見直す
  12. 広報費とウェブサイト関連費の補助金
  13. 教室の集客でよくある質問

スクール・教室の集客は、チラシやSNSを選ぶ前に、「何人まで受け入れ、最初にどんな人に来てほしいか」を決めることから始まります。
定員と相手が決まらないまま施策を並べると、反応があっても受け入れられず、反応がなければ何を直せばよいのか分かりません。

日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査では、同公庫が融資した開業から1年以内の事業者が開業時に苦労したこととして、資金繰りが56.9%、顧客・販路の開拓が49.9%でした(3つまで選択、全業種)。
生徒を集める仕事は、開業直後の大きな課題のひとつです。

出典: 日本政策金融公庫 2025年度新規開業実態調査
2026年10月31日に確認

この記事の答え

  • 最初に決めるのは施策ではなく、受け入れる人数と、最初に来てほしい人です。
  • 地図検索、ホームページ、チラシ、SNS・LINEは役割が違うため、「探している人に見つけてもらう」ものと「知ってもらう」ものに分けて、体験の申込までを1本の流れにします。
  • 補助金の対象になるのは広報費とウェブサイト関連費の一部で、交付決定の前に発注した費用は対象外です。
    春の募集の広告は補助金の外で進め、補助金は交付決定の後の募集に当てます。

集客の前に定員と最初の1人を決める

集客の相談で多いのは、「何から手を付ければよいか」という問いです。
この問いは、先に別の2つが決まっていないと答えが出ません。
1つ目は、今の教室で無理なく受け入れられる人数です。
2つ目は、最初に来てほしい人の姿です。

受け入れ人数は、部屋の広さや席の数だけでは決まりません。
講師が1人で見られる人数、授業の入れ替え時間、振替の受け入れ余力、体験の専用枠まで含めて、同時に回せる人数を数えます。
月謝収入の目標とは別に、在籍生徒への指導時間を確保できる上限を決めることを勧めます。
募集枠を増やす際は、振替や体験を含めた講師の予定表を作ります。

来てほしい人は、年齢や住まいだけでなく、「通う理由」まで具体化します。
たとえば、学校の勉強に不安のある小学生の保護者、仕事帰りに通える時間帯を探している社会人、子どもと一緒に参加できる教室を探している親などです。
理由が違えば、検索する言葉も、知りたい情報も、見る場所も変わります。

教室の強みも、集客の前に言葉にします。
強みは、先生の経歴、少人数で見られること、通いやすい場所と時間帯、授業の進め方など、他の教室と比べて通う理由になるものです。
「丁寧に教えます」のような、どの教室でも言える言葉は強みになりません。
たとえば「小学生の保護者が仕事帰りに迎えに来られる、18時台の少人数クラス」のように、誰に、どの条件で、と書き分けると、広告の言葉が決まります。

決めた内容は、次の3つを1行ずつ書いて記録しておくと、あとで施策を選ぶ基準になります。

  • 受け入れ人数: 曜日と時間帯ごとに、同時に指導できる上限。
  • 最初に来てほしい人: 年齢、住まいの範囲、通う理由、通える曜日と時間。
  • 最初の1人が申し込むまでの流れ: 何を見て、どこに連絡し、どんな体験を受けるか。

最初の1人の姿は、生徒像を想像で作る作業ではありません。
すでに問い合わせを受けているなら、問い合わせの文面と体験の感想を見て書き直します。
まだ生徒がいなければ、知人の子どもや近所の人など、実在する数人の話を聞いて仮の姿を置き、体験の後に直します。

生徒が教室を選ぶまでの5段階

施策を整理するため、この記事では「知る」「探す」「体験する」「入会する」「続ける」の5段階に分けます。
実際にたどる順序は人によって違い、全員に共通する経路ではありません。
段階ごとに役に立つ施策が違います。
たとえば、チラシや看板は「知る」を担い、地図検索とホームページは「探す」に応え、体験の案内は「体験する」から「入会する」への橋になります。

段階生徒の行動教室が用意するもの記録する数
知るチラシ・看板・SNS・知人の話で教室の存在を知る配布物、看板、SNSの投稿、紹介の依頼配布数、閲覧数
探す地図やホームページで場所、料金、曜日、先生を調べる地図の登録情報、ホームページ地図の表示数、ページの閲覧数
体験する問い合わせて体験を受ける予約の入口、体験の内容、当日の案内問い合わせ数、体験の人数
入会する体験の後に入会を決める料金と契約の説明、入会の手続き入会数
続ける通い続け、知人にも勧める授業の質、連絡、紹介の仕組み在籍数、退会数、紹介数

最後の「続ける」を表に入れたのは、集客の成果が入会の数だけでは決まらないからです。
毎月の退会が多い教室では、新しく入会しても在籍数が増えません。
退会を減らす取り組みも、同じ数字の表で扱います。

必要な体験の人数は、逆算で見積もります。
毎月2人の新規入会が必要な教室を例に、仮の数字で計算すると、次のようになります。

仮の計算例。毎月2人の新規入会が必要で、各段階の通過率を2分の1と置くと、体験は4人、問い合わせは8件が必要問い合わせ 8件体験 4人入会 2人通過率2分の1はどちらも仮の数字自分の記録で置き換える

この計算で大事なのは、2分の1という率ではなく、率が分かれば必要な問い合わせの数が逆算できるという点です。
開業直後で記録がない場合は、最初の3か月を仮の計画期間とし、毎月の記録で率を置き換える方法を勧めます。
3か月は運用の一例で、業種共通の基準ではありません。
体験から入会への率が低ければ、集客ではなく体験の内容や料金の説明を見直す段階です。

集客の手段を役割で選ぶ

集客の手段は、どれが優れているかではなく、どの段階の人に届くかで選びます。
個人の教室が使いやすい手段を、費用と注意点で並べると次の表になります。
費用の欄は、公開されている料金と、一般的な運用の考え方です。

手段主に届く段階費用の考え方注意すること
Google ビジネスプロフィール探す登録は無料対面で教える教室向け。オンライン専業は対象外。教室名は実際の看板等に合わせ、住所表示は来訪型・出張型の実態と登録条件で判断する
自分のホームページ探す・体験する制作と更新の費用がかかる料金、曜日、定員、体験の流れ、先生の経歴を載せる
チラシ・看板・掲示知る印刷と配布、掲示の費用配布する地域と、掲示の許可を決める
SNS知る・続ける投稿は無料。広告は有料更新を続けられる頻度で始める
LINE公式アカウント体験する・続ける無料のプランがある。送る通数で費用が増える登録してくれた人にだけ送る
知人・在籍生徒の紹介知る・体験する景品を渡すなら決まりがある紹介の特典の上限を確認する
有料のネット広告知る・探す配信額に応じてかかる効果を見られる体制を作ってから使う

初めの3か月で使う手段を3つ以内に絞るのは、更新と記録に割ける時間を見積もるための運用案です。
担当者が更新と結果の記録を続けられる数を決めます。
対面の教室では「探す人に見つけてもらう」手段(地図とホームページ)を最初に整え、そのうえで「知ってもらう」手段(チラシやSNS)を1つ足す順をおすすめします。

対面の教室で地図とホームページを先に整えるのは、場所や料金、体験の情報をそろえる作業として勧める順番です。
オンライン専業は地図登録の対象外なので、講座別の案内ページと申込みフォームを先に整えます。
ほかの手段より省力的に問い合わせを得られると確認された順番ではありません。
広告やチラシを見た人が教室名で検索する場合に備えて、検索先の情報も整えます。

申請の締切は2026年12月15日 17:00

事業支援計画書(様式4)の発行受付は2026年12月4日までで、広告やホームページの費用を補助金に入れたい教室は、この日から逆算して計画を作ります。

制度を探す入口は制度の早見表です。

地図検索で見つけてもらうGoogle ビジネスプロフィール

対面の教室は、地図で近くの教室を探す人にも見つけてもらうため、地図上の情報を整えます。
Google ビジネスプロフィールは、検索とマップに教室の情報を表示する無料のサービスで、口コミへの返信、写真の追加、投稿、閲覧状況の確認などができます。

登録できるのは、お客様が訪問できる場所を持つ事業か、お客様のところへ出向く事業です。
事業の名前は、看板やホームページで実際に使っている名前にします。
キャッチコピー、営業時間、電話番号、URL、地域名を名前に足すことは、ガイドラインで認められていません。

生徒が自宅などの教室に来る来訪型と、講師が生徒の場所へ行く出張型を区別します。
来訪型で住所を表示する事業には、その場所での常設看板などの条件があります。
出張だけを行う非店舗型事業は、拠点の住所を非表示にしてサービス提供地域を設定します。
住所を隠したいという希望だけで、来訪型を出張型として登録することはできません。
対面で顧客と接しないオンライン専業は、登録の対象外です。

出典: Google ビジネスプロフィール
Google ビジネスプロフィール ガイドライン
Google ビジネスプロフィールのポリシーの概要
2026年10月31日に確認

登録後に整える項目は、次の3つです。
教室の分類、営業時間(授業の曜日と時間)、写真です。
写真は、外観、教室内、授業の様子(生徒が写る場合は本人と保護者の了解を得たもの)、先生の顔が分かるものが、見る人の判断材料になります。

口コミは、集客の力になる一方で、集め方に決まりがあります。
報酬を渡して好意的な口コミを書いてもらう行為は、後で述べるステルスマーケティング規制の対象になり得ます。
口コミには、良い内容にも指摘にも、事実に沿った返信を続けます。

ホームページに載せる項目

教室のホームページは、広告を見た人や地図で見つけた人が、「ここに通えるか」を判断する場所です。
デザインの前に、判断に必要な情報がそろっているかを見ます。
載せる項目は次の8つです。

  • 誰のための教室か: 年齢、レベル、通う目的。
  • 授業の曜日、時間、定員。
  • 料金の総額: 月謝のほかに、入会金、教材費、設備費が必要かどうか。
  • 体験の内容、料金、申込の方法。
  • 先生の経歴: 実際の経歴だけを書く。
  • 場所と行き方: 駐車場や自転車の置き場所の有無。
  • 連絡の方法と返信の目安。
  • 個人情報の取り扱い。

料金は、月謝だけを大きく見せて、入会金や教材費を小さく書くと、実際に必要な金額が分かりません。
景品表示法は、実際より良く見せる表示(優良誤認)と、価格などの取引条件を実際より有利に見せる表示(有利誤認)を禁じています。
入会に必要な費用は総額で書き、条件がある割引は条件も同じ場所に書きます。

効果の表示にも注意が必要です。
「成績が上がる」「短期間で上達する」など、効果を具体的にうたう場合は、その根拠となる資料を持っている必要があります。
消費者庁が根拠の提出を求めた時に出せなければ、表示は不当なものとみなされます(不実証広告規制)。
生徒の成果を載せる時は、実際にあった事例で、本人の了解を得た範囲にとどめます。

出典: 消費者庁 表示規制
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ホームページは、作って終わりではありません。
授業の曜日や定員が変わったら、同じ日に直します。
直していない情報は、問い合わせを受けた時に「実際は違う」という説明を生み、体験の前の信頼を下げます。

チラシ・看板・掲示で近所に知ってもらう

チラシや看板は、「知る」段階の人に届きます。
配布する範囲は、通える距離で決めます。
徒歩か自転車で通う教室なら、教室から近い範囲の住宅が対象です。
地域の人口や子どもの数は、政府統計の窓口e-Statの「地図で見る統計(jSTAT MAP)」で、小地域の統計を地図に表示して確認できます。

出典: 政府統計の総合窓口 e-Stat 地図で見る統計
2026年10月31日に確認

チラシに載せる内容は、ホームページと同じ項目を短くしたものです。
誰のための教室か、曜日と時間、体験の案内、場所、連絡の方法を載せます。
QRコードをつける場合は、ホームページの体験の申込ページへ直接つなぎます。
リンク先を実際に開き、申込みまで迷わず進める案内になっているかを確認することを勧めます。

配布や掲示には、場所ごとの決まりがあります。
マンションの集合ポストへの投函が禁止されていたり、店や公共施設の掲示板が申請制だったりします。
看板は、設置する場所の所有者の許可と、地域の屋外広告物の決まりが関わる場合があります。
許可を受けてから制作に入ると、作り直しの費用を避けられます。

チラシや看板の効果は、見た人が教室名で検索した回数や、「チラシを見た」という問い合わせの申告で見ます。
申込フォームに「どこで教室を知りましたか」という選択欄を作っておくと、手段ごとの数字を集められます。

SNSとLINEで続ける

SNSを募集に使うかは、保護者や受講者が実際に見る媒体と、教室が更新に使える時間で判断することを勧めます。
問い合わせや体験の際に見た媒体を聞き、自分の教室の記録を集めます。
年齢別の利用率だけでは、保護者という属性や利用頻度までは判断できません。

SNSで見せるものは、教室の中の様子と、教える人の考え方です。
授業の風景、教材の工夫、季節の行事、生徒の作品などが材料になります。
生徒の顔や名前が分かるものを載せる時は、本人と保護者の了解を得て、了解の範囲を記録しておきます。

投稿の頻度は、続けられる回数で決めます。
毎日更新する計画を立てて2週間で止まるより、週に1回を1年続ける方が、見に来た人に「活動している教室」という印象を残せます。

LINE公式アカウントは、体験に来た人や在籍生徒との連絡に向いています。
コミュニケーションプランが月額0円で月200通まで、ライトプランが月額5,000円(税別)で月5,000通まで、スタンダードプランが月額15,000円(税別)で月30,000通までです。
スタンダードプランの追加メッセージは、配信数に応じた従量料金で、最大3円/通(税別)です。
通数は「送る回数」ではなく「送る回数と友だちの数の掛け算」で数えます。

出典: LINE公式アカウント 料金プラン
2026年10月31日に確認

たとえば、友だちが50人の教室が全員に月4回送ると、月200通になります。
この計算例は無料枠内ですが、月の配信回数や実際の送信先人数、ほかの配信量が変われば必要な通数も変わります。
毎週送るかどうかは、月ごとの人数と配信計画で判断します。
曜日が変わった時の連絡や振替の案内など、必要な相手にだけ送る使い方にします。

友だちを登録してもらう時は、何のための登録かを伝えます。
体験の連絡と授業のお知らせに使う、という説明があれば、あとの配信が迷惑になりにくくなります。

紹介・口コミ・体験の特典に関わる決まり

紹介の特典を考える場合は、紹介できる人の範囲と、謝礼を渡す条件を先に決めます。
Googleの口コミでは、投稿と引き換えに割引、金銭、無料の商品やサービスなどの特典を付けてはいけません。
景品表示法上の判断とは別に、媒体の投稿ポリシーにも従います。

ひとつは、景品の上限です。
景品規制では、取引に付ける景品(総付景品)の上限は、取引の価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2です。
利用者や来訪者に渡す特典は、取引に付随する景品類として扱われます。
くじなどで当たった人にだけ渡す一般懸賞にも、取引価額に応じた上限があります。

出典: 消費者庁 景品規制
消費者庁 景品類とは 紹介者への謝礼(Q31)
Google マップ 投稿コンテンツに関するポリシー
2026年10月31日に確認

もうひとつは、ステルスマーケティング規制です。
2023年10月1日から、広告であることを隠した表示が不当表示にあたります。
教室が第三者に依頼して書いてもらったSNSの投稿や口コミも対象で、規制を受けるのは広告主である教室です。
報酬や特典を渡して依頼した投稿には、広告であることが分かる表示を付けるよう、依頼の時点で伝えます。

出典: 消費者庁 ステルスマーケティング規制
2026年10月31日に確認

在籍生徒や保護者に紹介を頼む時は、特典を渡す条件と上限を紙に書いて共有します。
紹介者を在籍生徒などの購入者に限定すると、紹介謝礼は取引に付随する景品類となり、通常は総付景品の規制を受けます。
誰でも紹介できる企画の謝礼は、原則として取引に付随せず、景品類には当たりません。
景品類に該当する企画は、取引価額に応じた上限と特典額を比べて決めます。

体験レッスンを入会につなげる

体験は、教室が最も多くの情報を相手に渡せる場面です。
体験で伝えたいことは3つあります。
授業の進め方、入会後の通い方(曜日、頻度、振替の扱い)、料金の総額です。

体験の内容は、通常の授業のごく一部を切り取って、「どんなことができるようになるか」が見える形にします。
初めての人に分かりやすく説明できるかは、講師の力量を見せる場でもあります。
時間が足りなくなる場合は、体験の専用枠を作り、通常の授業と分けて組みます。

体験の申込フォームを作る時は、個人情報の扱いに注意が必要です。
個人情報保護法は、個人情報を取り扱う事業者に、利用目的をできるだけ特定することを求めています(第17条)。
申込フォームのように、本人から書面で情報を直接受け取る場合は、あらかじめ本人に利用目的を明示する必要があります(第21条第2項)。
フォームの入力欄の近くに、「体験の連絡と授業のお知らせにのみ使います」のような目的を書いておきます。

問い合わせ専用フォームと、有料体験や入会の契約申込みを受けるフォームは区別します。
後者をネットで用意する場合は、通信販売の規制を確認し、事業者の氏名・名称、住所、電話番号、対価と追加費用、支払時期・方法、提供時期、申込みの撤回・解除の条件などを表示します。
最終確認画面にも、提供回数、対価、支払時期・方法、提供時期、解除条件、期限がある場合の申込期間を表示します。

出典: 消費者庁 通信販売
消費者庁 通信販売における最終確認画面について
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個人情報を取り扱う事業者には、個人事業主も含まれます。
個人情報データベースを事業に使う者から、国の機関や自治体などを除いたものが対象とされているためです。
生徒名簿や申込の控えを表計算ソフトにまとめている教室は、規模にかかわらず対象と考えます。

出典: 個人情報保護委員会 個人情報保護法ガイドライン(通則編)
個人情報保護委員会 申込書等で取得する連絡先の利用目的の明示(Q4-17)
2026年10月31日に確認

予約と連絡の一部は、道具で自動にできます。
体験の申込フォームを置き、申込を受けたらすぐに確認の返信が届く設定にすると、問い合わせた人が「届いたのか」と不安になる時間を減らせます。
授業の曜日変更や振替の案内は、毎回個別に書かず、決まった文面を用意しておきます。
自動にするのは、受付と確認の連絡までです。
体験の感想を聞く連絡は、講師が自分の言葉で送ります。

入会の案内では、料金と契約の条件を、書面かメールで残る形で渡します。
月謝のほかに必要な費用、休会や退会の手続き、振替の扱いを、口頭の説明だけで済ませると、後から行き違いが起きます。

契約と月謝の案内で守ること

特定継続的役務提供という長期の契約の規制は、エステ、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの7つが対象です。
学習塾は、学校教育法第1条の学校(小学校・幼稚園を除く)、専修学校、各種学校の入試対策、または同条の学校(大学・幼稚園を除く)の補習のための学力の教授を、事業者が用意した場所で行うものです。
小学校・幼稚園の入試対策や、大学・幼稚園の補習は、この定義の対象外です。

この規制の対象かどうかは、教える内容、期間、金額で決まります。
語学教室や学習塾などは、期間が2か月を超え、金額が5万円を超える場合が対象になります。
金額には入学金や教材費も含まれます。
毎月更新でも、当然に延長することを前提として、実質的に期間と金額の要件を満たす契約は、当初から規制の対象になります。

出典: 消費者庁 特定継続的役務提供
2026年10月31日に確認

そろばん、書道、ピアノ、料理などの習い事は、この案内の一覧に載っていません。
自分の教室の契約が対象かは、教える内容と、期間や金額が一覧の条件に近いかを見て、消費生活センターに問い合わせるのが確実です。
対象の契約には、入会金は返さないという特約が一般に無効とされるなど、解約に関する決まりがあります。

対象かどうかにかかわらず、月謝制の教室でも、次の4点を契約書や入会案内に書いておくと行き違いを防げます。

  • 月謝、入会金、教材費など、必要な費用の総額。
  • 休会と退会の手続きと、締切の日。
  • 授業を休んだ時の振替の扱い。
  • 災害や講師の病気で授業ができない時の対応。

数字の記録で施策を見直す

集客の施策は、続けるか、やめるかを数字で決めます。
月に1回、同じ表に記録します。
手段ごとに、問い合わせの数、体験の人数、入会の数を並べます。

記録する項目記録の方法見て分かること
手段別の問い合わせ数申込フォームの「どこで知りましたか」の選択欄どの手段が最初の接点になっているか
体験の人数と入会数体験の当日と、入会の手続きの日に書き込む体験から入会への率
在籍数と退会数月末に集計する新規入会より退会が多くないか
手段ごとの費用請求書と領収書から1人の入会にかかった費用

1人の入会にかかった費用は、手段にかけた費用を、その手段で入会した人数で割って出します。
月謝の総額だけと比べず、教材費、講師費、会場費などの提供費用を差し引いた利益から、獲得費を回収できるかを見ます。
回収までに必要な期間と、その間の支払いに使える資金も確認し、施策を続けるか判断します。

記録の習慣は、補助金の申請にも役立ちます。
持続化補助金では、売上と粗利益が増える見込みを、客観的なデータに基づいて申請書に書く必要があります。
教室の入会数や体験数の記録があれば、その根拠として使えます。

広報費とウェブサイト関連費の補助金

補助金は、集客の手段の一部を後押しする制度です。
小規模事業者持続化補助金(一般型)は、商業・サービス業で常時使用する従業員が5人以下の事業者が対象です。
販路開拓のための経費が対象で、広報費とウェブサイト関連費が教室の集客に関わります。

区分対象になる例対象外の例
広報費チラシの作成と配布の外注、新聞・雑誌への広告、看板、DM、ネット広告、SNS広告と運用の代行、広告用の写真と動画求人広告、名刺、金券・商品券、配布していないチラシ、補助事業の期間外の広告
ウェブサイト関連費顧客管理のソフトウェア、サイトの作成と更新、効果が明確なSEO対策、商品の写真コンサルティング、有料の講座で使う動画や電子教材の作成、期間内に公開されなかったサイト

広報費だけ、またはウェブサイト関連費だけで申請することはできません。
他の経費と組み合わせて申請します。
ウェブサイト関連費は30万円(補助金額の上限)、広報費は30万円(補助金額の上限)です。

補助の対象になるのは、事業計画に基づいて、補助事業の期間に、実際に使った費用です。
SNS広告の画像、メールで送るDM、電子パンフレットなどは、公募要領のよくある質問で個別に扱いが示されています。
対象かどうか迷うものは、発注する前に事務局へ問い合わせるよう、公募要領が求めています。

アルバイトの賃金は対象外です。
写真や動画を撮る費用の中でも、被写体や、被写体とともに使う衣装や小道具の購入費は対象になりません。

出典: 小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠) 第20回 公募要領 第8版
2026年10月31日に確認

交付決定の前に発注した経費は対象外

募集を始める日と補助対象の発注日を分ける

持続化補助金は、原則として交付決定より前の契約、発注、支払いを前払いも含めて対象外にします。

採択の通知と交付決定は別で、先に支払ったチラシやホームページ制作費を後から対象に変えることはできません。

小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)の日程と生徒の募集期受付期間は2026年11月5日から2026年12月15日 17:00、様式4の締切は2026年12月4日、交付決定の目安は2027年4月から5月頃(採択の発表から概ね1〜2か月かかる場合がある)、補助事業の実施期限は2028年3月31日、実績報告の期限は補助事業を終えた日から30日を過ぎた日と2028年4月10日の早い方、生徒の募集期は3月・4月・9月です。 / 2026年11月 受付期間 2026年11月5日から2026年12月15日 17:00 / 2026年12月 様式4の締切 2026年12月4日 / 2027年1月から2027年2月 / 2027年3月 募集期(補助金の期間の外) / 2027年4月 募集期(補助金の期間の外) / 交付決定の目安 2027年4月から5月頃(採択の発表から概ね1〜2か月かかる場合がある) / 2027年5月 交付決定を待つ(決定の日から発注できる) / 2027年6月から2027年8月 / 補助金で発注できる期間 / 2027年9月 補助金で発注できる期間 / 募集期(補助金の期間の中) / 2027年10月から2028年2月 / 補助金で発注できる期間 / 2028年3月 補助金で発注できる期間 / 募集期(補助金の期間の中) / 補助事業の実施期限 2028年3月31日 / 翌年の生徒募集の案内(この月までに支払えば補助金の期間の中) / 2028年4月 実績報告の期限 補助事業を終えた日から30日を過ぎた日と2028年4月10日の早い方2026年11月受付期間 2026年11月5日から2026年12月15日 17:002026年12月様式4の締切 2026年12月4日2027年1月から2027年2月2027年3月募集期(補助金の期間の外)2027年4月募集期(補助金の期間の外)交付決定の目安 2027年4月から5月頃(採択の発表から概ね1〜2か月かかる場合がある)2027年5月交付決定を待つ(決定の日から発注できる)2027年6月から2027年8月2027年9月補助金で発注できる期間募集期(補助金の期間の中)2027年10月から2028年2月2028年3月補助金で発注できる期間募集期(補助金の期間の中)補助事業の実施期限 2028年3月31日翌年の生徒募集の案内(この月までに支払えば補助金の期間の中)2028年4月実績報告の期限 補助事業を終えた日から30日を過ぎた日と2028年4月10日の早い方

出典: 第20回 公募要領 第8版

一般型の交付決定の目安は2027年4月から5月頃で、2027年の春の新入生向けの募集には間に合わない見込みです。
春の募集は補助金の外で進め、夏や秋の募集の広告を補助事業に入れる考え方になります。

2028年春の募集に向けて、年明けに発注して配布する広告は、2028年3月31日までに配布や公開と支払いが終われば、補助事業の期間に入ります。
支払いだけを期間内に終えても、配布や公開が期間の外であれば対象になりません。
実績報告は補助事業を終えた日から30日を過ぎた日と2028年4月10日の早い方です。

補助金は後から払われる仕組みなので、採択されても、発注と支払いは先に教室が立て替えます。
立て替える資金と、採択されなかった場合も広告を出すかを、申請の前に決めておきます。
制度の共通の条件は、教室の開業と経営で使える補助金・助成金の記事と、持続化補助金でホームページを作る条件の記事にまとめています。

例: 東京都で個人が開く教室の場合の制度の一覧

東京都で、開業から1年以上、従業員を雇わずに教える個人事業主が、ホームページと広告を検討する条件例です。
表に候補が出ることと採択されることは別です。
投資規模は絞り込みの条件であり、標準的な費用を示す数字ではありません。

制度情報を読み込めない場合は、制度の早見表で条件を確かめてください。 制度の早見表

制度の条件と確かめること
制度状態判定締切上限条件答えが足りないこと確かめること費目の上限使い道と注意出典と確認日
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠) 第20回受付前候補商工会議所地区・商工会地区 様式4の発行受付 2026年12月4日 各商工会・商工会議所の窓口の時間 / 全国 申請 2026年12月15日 17:00基本50万円(インボイス特例で50万円加算、賃金引上げ特例で150万円加算、併用で200万円加算) / 補助率: 2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)事業の形 / 従業員の上限以内広報費 30万円(補助金額の上限) / 単独の申請は不可 / ウェブサイト関連費 30万円(補助金額の上限) / 単独の申請は不可生徒募集のチラシ・Web広告 / 集客のためのホームページ / 体験レッスンの受け入れに伴う教室の改装(販路開拓に伴うもの) / 後払い(事業を実施し支払った後に報告して受け取る) / 交付決定より前の発注・支払いは対象外 / 申請を支援した第三者がいれば、無料でも名称と支援金額の申告が必要 / 採択の発表は2027年3月頃、交付決定までさらに概ね1〜2か月。交付決定より前の発注・契約・支払い(前払いを含む)は対象外 / 商工会・商工会議所の地区を確認する2026年10月29日 確認 / 商工会議所地区 事務局 / 商工会地区 事務局(制度概要) / 法人格・従業員・締切・創業期間 第8版・2026-07-21 冊子3〜5・7・22頁 / 費目の上限と組合せ 第8版・2026-07-21 PDF14〜15頁(冊子13〜14頁)・FAQ Q3-19〜24 / 第20回FAQ 2026-10-22公開 PDF11頁(冊子6頁)・Q3-19・20・24

この例では対象条件外の制度

  • 小規模事業者持続化補助金(創業型) 第4回:開業日が対象の期間の外
  • デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) 7次:この例の使い道に当たらない
  • デジタル化・AI導入補助金2026(インボイス枠・インボイス対応類型) 7次:この例の使い道に当たらない
  • 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) 随時受付:この例の使い道に当たらない
  • 中小企業省力化投資補助金(一般型) 第9回(予定):この例の使い道に当たらない
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出枠) 第2回:雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない / 投資額が補助の下限の750万円に届きません
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠) 第2回:雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない / 投資額が補助の下限の100万円に届きません
  • 業務改善助成金 2026年度:雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない
  • キャリアアップ助成金(正社員化コース) 通年(計画の届出が先):雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない
  • 人材開発支援助成金 通年(訓練の計画の届出が先):雇っている労働者が必要 / この例の使い道に当たらない

ほかの制度を探す入口は、制度の早見表です。
申請する制度の受付状況、締切、上限は、各制度の公式案内で確認してください。

教室の集客でよくある質問

生徒がいない状態で、まず何をすればよいですか

対面の教室では地図検索への登録と、ホームページに載せる体験の案内を最初に整えます。
オンライン専業では、講座別の案内ページと申込みフォームを整えます。
対面の教室では次に、教室の近くで最初の1人に会える方法を1つ選びます。
知人への声かけ、近所へのチラシの配布、既存の習い事の保護者への紹介などです。
広告費をかける前に、体験を受けてくれた人から感想を聞きます。

SNSとホームページは、どちらを先に作りますか

先に整えるのは、料金と体験の案内が載ったホームページです。
SNSから詳しい情報を探す人に備え、料金と体験の案内へ進めるリンクを置くことを勧めます。
検索やホームページを経由せず、SNSから直接連絡する人も想定して、窓口ごとの案内をそろえます。

広告にお金をかけるのは、いつからですか

体験から入会への率と、1人あたりの入会にかかった費用が出せるようになってからです。
広告を増やす際は、体験の内容や料金の説明を見直し、獲得費を利益から回収できる計画かも判断することを勧めます。
広告を増やす前に、体験の感想と入会しなかった理由を、数人分でも集めます。

集客は、定員と最初の1人から組み立てる

  • 受け入れ人数と最初に来てほしい人を決めてから、手段を選びます。
  • 探す人に見つけてもらう手段を先に整え、知ってもらう手段を1つ足します。
  • 体験から入会までの数字を毎月記録して、続ける手段と、やめる手段を決めます。