「Webデザイナーになりたいと言ったら、やめとけと言われた」。
「すでに働いているけど、単価も年収も伸びる気がしない」。
検索すると出てくる「やめとけ」の声。
先に結論を言うと、「やめとけ」と言われる理由の多くは事実です。
ただしそれは「デザイナー止まり」で戦い続けた場合の話。
この記事では、やめとけと言われる7つの理由を隠さず解説したうえで、それでも向いている人の条件と、デザイン経験の市場価値が一気に上がる「レイヤーの上げ方」まで整理します。
これから目指す人も、今まさに伸び悩んでいる人も、キャリアの地図として使ってください。
この記事でわかること
- Webデザイナーはやめとけと言われる7つの理由(全部事実ベース)
- 未経験からでも目指せるのか、それとも本当に無謀なのか
- やめとけで終わる人と、経験を武器に変える人の分かれ目
- デザイン経験の価値が跳ね上がる「上流レイヤー」への進み方
制作会社でデザイナーへの発注・ディレクションを日常的に行う立場から、発注側に見えている実情をお伝えします。
結論:「やめとけ」は、デザイナー「止まり」への警告
Webデザイナーという仕事自体は、なくなりません。
Webサイトも広告もLPも作られ続けるし、デザインの需要は存在し続けます。
それでも「やめとけ」の声が絶えないのは、「デザイン作業だけを担う立場」の待遇が構造的に厳しくなっているからです。
担い手の急増、AIツールの進化、単価競争。
これらは全部、後で詳しく見るとおり事実です。
ただ、同じ構造の中で、デザイン経験を武器にして報酬を伸ばしている人たちがいます。
その人たちがやったのは、デザインを捨てることではなく、デザインの上に「決める側・束ねる側」の役割を重ねること。
この記事の後半で、その道筋を具体的に示します。
Webデザイナーはやめとけと言われる7つの理由

理由1:年収・単価が上がりにくい
Webデザイナーの平均年収は、他のIT系職種と比べて低めの水準にとどまっています。
フリーランス・副業でも、バナー1本数千円、LPデザイン1本5万〜15万円前後が一般的なレンジ。
制作物1点ごとの積み上げなので、手を動かした分しか増えない構造です。
理由2:参入者が増えて飽和気味
スクールや独学教材の普及で、「一通りデザインできる人」は毎年大量に生まれています。
特に副業層の参入が多く、同じレベルの成果物なら安い人へ、という力学が働きやすくなりました。
理由3:AIツールが「作業としてのデザイン」を代替し始めている
バナーやLPのたたき台は、AIやテンプレートツールでかなりの水準まで作れるようになりました。
「とりあえず形にする」だけの仕事は、真っ先に価格が下がっていきます。
理由4:クラウドソーシングでは価格競争になりやすい
副業の入口になりやすいクラウドソーシングは、発注側が相場を見て絞りやすく、高単価案件自体が多くありません。
コンペ形式では、作っても選ばれなければ報酬ゼロということも普通にあります。
理由5:修正対応の負担が大きい
「ちょっとイメージと違う」「上司の意見でやり直しに」。
デザインは好みの影響を受けやすく、要件が曖昧なまま始まった案件ほど修正が膨らみます。
その負担を受け止めるのは、川下にいるデザイナーです。
理由6:学び続ける負担が重い
デザインツール、トレンド、UI/UXの知見、コーディングの基礎。
アップデートを止めると、数年で通用しなくなる世界です。
これはやりがいでもありますが、負担なのも事実です。
理由7:下流工程で、裁量が小さくなりやすい
そして最も構造的な理由がこれです。
Web制作の流れは「戦略→要件定義→設計→デザイン→実装→公開」。
デザインは中流から下流の工程で、「何を作るか」が決まった後に呼ばれる立場になりやすい。
決定権が薄い仕事は、どうしても「言われたものを作る人」として比較され、価格で選ばれやすくなります。
未経験でWebデザイナーを目指すのは、本当にやめておくべき?
「未経験ならやめとけ」という声への答えは、こうです。
デザインを学ぶこと自体は、まったく無駄にならない。
ただし「デザインだけで食べていく」計画は、上の7つの理由と正面衝突する。
だから未経験の状態から目指すなら、最初からキャリアの設計図を持つべきです。
デザインを入口として学びつつ、次の一手(上流の役割)まで見据えて動く。
逆に言えば、設計図さえあれば、年齢や経歴に関係なく今からでも参入する価値のある領域です。
学ぶ場所から検討している段階なら、Webデザインスクールおすすめ6選で料金と期間を並べてから決めると、比べる軸がぶれません。
「やめとけ」で終わる人と、経験を武器に変える人の分かれ目は、才能ではありません。
「作業の腕」を磨き続けるか、「作業の上に決める力を重ねる」か。
キャリアの設計の差です。
Webデザイナーに向いている人・「やめとけ」が当てはまりやすい人
構造の話をしてきましたが、向き不向きも正直に整理しておきます。
| 向いている人 | 「やめとけ」が当てはまりやすい人 |
|---|---|
| 作ること自体が好きで、細部の調整を楽しめる | 「在宅で楽に稼げそう」が主な動機 |
| フィードバックを素直に取り込める | 修正依頼をストレスにしか感じない |
| ツールやトレンドの学習を続けられる | 一度学んだら学習を終えたい |
| 「なぜこのデザインか」を言葉で説明できる | 感覚だけで作りたい |
注意してほしいのは、右側に当てはまった人も「Web業界に向いていない」わけではないことです。
細部の作り込みより、全体を整理して人を動かすことが得意なタイプは、最初からディレクター側が合っているケースが多い。
職種の向き不向きは、業界の向き不向きとは別の話です。
これからも選ばれ続けるWebデザイナーの条件
やめとけと言われる時代でも、市場価値を保っているデザイナーには共通点があります。
- UI/UXまで踏み込める:見た目の美しさではなく「使いやすさ・成果」で語れる
- マーケティング視点がある:誰に何を伝えて、どう行動してもらうかから逆算して作れる
- 要件のすり合わせがうまい:作る前に認識を合わせ、手戻りを未然に防げる
- 制作の外の工程が分かる:公開後の計測・改善まで会話できる
お気づきでしょうか。
この4つはすべて、「デザイン作業」そのものではなくその上流にある力です。
つまり生き残るデザイナーの条件とは、実質的にディレクションの力。
デザイナーとして市場価値を上げる道と、ディレクターへ進む道は、同じ方向を向いています。
デザイン経験の価値が一気に上がる場所:上流レイヤー

発注側の視点をお伝えします。
制作の現場でいちばん困るのは、デザインできる人がいないことではありません。
クライアントの目的を整理し、何を作るべきか決めて、制作を最後まで進行させられる人がいないことです。
この役割がWebディレクター。
デザイナーの隣にありながら、報酬の構造がまったく違う仕事です。
| Webデザイナー(制作担当) | Webディレクター(上流) | |
|---|---|---|
| 役割 | 決まった要件を形にする | 要件を決め、制作全体を束ねる |
| 報酬の単位 | 制作物1点ごと | 案件全体・継続契約 |
| 単価の目安 | バナー数千円〜/LP5万〜15万円 | 案件単位5万〜30万円/継続月額5万〜30万円 |
| 修正・変更 | 受ける側 | 範囲を決める側 |
| AIの影響 | 作業の代替が進む | 判断・調整は代替されにくい |
※当社が一般的な募集情報から整理した目安です。
スキル・実績・契約条件により変動し、収入を保証するものではありません。
2つの職種の違いはWebディレクターとWebデザイナーの違いで詳しく比較していますが、要点はこれだけです。
作る人の市場は飽和に向かい、決めて束ねる人の市場は人手不足のまま。
デザイン経験者は、この越境をいちばん有利に始められる位置にいます。
デザイン経験は、ディレクションでこう活きる
| デザイナーとして培った力 | ディレクションでの活き方 |
|---|---|
| ビジュアルの良し悪しを見る目 | 成果物の品質判断。制作物への的確なフィードバック |
| UI・導線への感覚 | ワイヤーフレーム設計・要件定義の精度 |
| 制作工程・ツールの理解 | デザイナー・エンジニアと対等に話せる共通言語 |
| 修正対応で鍛えた汲み取り力 | クライアントの曖昧な要望を要件に翻訳する力 |
| トンマナ・ブランド理解 | 施策全体のクオリティコントロール |
ディレクター職でよくある弱点は「制作の中身が分からないまま進行だけする」こと。
デザイン出身者はその逆で、中身が分かるからこそ制作者からもクライアントからも信頼されるディレクションができます。
これは未経験からディレクターになった人がなかなか持てない、明確なアドバンテージです。
デザイナーからレイヤーを上げる3ステップ

- STEP1:今の案件で「要件」から関わる:デザインに入る前のヒアリングやワイヤー作成に手を挙げる。「なぜこのデザインか」を言語化して提案する癖をつける
- STEP2:進行・調整を巻き取る:スケジュール管理、素材の回収、関係者への確認連絡。地味な進行業務こそ「任せられる人」への入口
- STEP3:ディレクションの型を体系的に学ぶ:要件定義・見積もり・進行管理・品質管理。我流ではなく型として身につけると、案件の規模と単価が変わる
STEP1と2は、いまの環境で今日から始められます。
ディレクター職の全体像はWebディレクターになるには?3ルート比較と5ステップとWebディレクターの仕事内容にまとめています。
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独学で進むか、伴走をつけるか
デザインからディレクションへの越境でつまずきやすいのは、学習よりも「実務レベルの判定」と「案件の取り方」です。
| 独学で進む | 伴走つきで進む | |
|---|---|---|
| 学ぶ順番 | 断片的になりやすい | 実務の型に沿って積み上がる |
| 成果物の質 | 実務レベルか判定できない | 実案件モチーフの課題を添削してもらえる |
| 案件の取り方 | 情報が少なく、ここで止まりやすい | 提案文の添削など獲得まで支援 |
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「それでも不安」という方へ
「せっかく学んだデザインが無駄になりそう」
無駄になりません。
むしろデザインが分かることは、ディレクターとしての一生モノの差別化になります。
手放すのではなく、レイヤーを重ねるだけです。
「働きながら学ぶ時間が取れるか心配」
ディレクションの学習に高価な機材は不要です。
今の案件・今の職場がそのまま実践の場になるので、ゼロから環境を作る必要もありません。
「自分がディレクター向きか分からない」
そこは感覚で決めず、確かめてから動くのが正解です。
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よくある質問
Webデザイナーはオワコンですか?
職種としてはなくなりません。
ただし「作業としてのデザイン」の単価は下落傾向で、上流の判断まで担える人との二極化が進んでいます。
オワコンかどうかは、職種ではなく立ち位置で決まります。
30代・40代の未経験からでは遅いですか?
遅くありません。
むしろ社会人経験で培った調整力・段取り力は、ディレクション側で強く活きます。
年代別の進み方は30代・40代・未経験からWebディレクターになるにはを参考にしてください。
残業が多い・労働環境がきついというのは本当ですか?
職場によりますが、納期前の業務集中や、修正対応による労働時間の膨らみは起きやすい仕事です。
要因の多くは「要件が曖昧なまま制作が始まること」にあり、これも上流工程の設計次第で変わります。
働き方の負担を構造から減らせるのも、上流に回るメリットの一つです。
Webデザインの副業だけで稼ぐのは無理ですか?
不可能ではありませんが、単価競争の影響を強く受けるのは本文のとおりです。
副業として始めるなら、制作の実績づくりと並行して、要件整理や進行管理など上流の経験を意識的に積むことをおすすめします。
デザインとディレクション、どちらから学ぶべきですか?
目的によります。
「作ることそのもの」が好きならデザインから。
「稼げるキャリア」を優先するなら、デザインの基礎理解とディレクションの型を並行で学ぶのが近道です。
この見極めも説明会でよく相談される論点です。
まとめ
- 「やめとけ」の理由7つはほぼ事実。ただしそれはデザイナー「止まり」の話
- 作る人の市場は飽和へ、決めて束ねる人の市場は人手不足のまま
- デザイン経験は品質判断・要件定義・共通言語として上流でそのまま武器になる
- 要件への踏み込みと進行の巻き取りは今日から。型の学習で一気に加速する

