「Webディレクターにポートフォリオって必要なの?」
「そもそも、実績がないのに何を載せればいいんだろう」。
デザイナーと違って、ディレクターの仕事は目に見える成果物が残りにくい。
だから何を出せばいいか分からず、ここで止まる人がとても多い領域です。
この記事では、実績ゼロからでも作れるポートフォリオの中身を、構成要素とテンプレートのレベルまで具体化します。
転職向けだけでなく、副業やフリーランスで案件を取るときの見せ方まで扱います。
この記事でわかること
- ディレクターのポートフォリオで本当に見られている3点
- 実績がなくても作れる「架空案件」の作り方
- そのまま使える構成テンプレート(6項目)
- 転職用と案件獲得用で変えるべきポイント
制作会社でディレクターの採用・外注選定に関わる立場から、実際に見ているポイントをお伝えします。
結論:見られているのは「作品」ではなく「考え方」
デザイナーのポートフォリオは、成果物の見栄えが評価対象です。
でもディレクターの場合、見る側が知りたいのは違います。
この人に任せたら、案件がちゃんと前に進むのか。
それだけです。
だから載せるべきなのは完成したデザインではなく、「どんな課題に、どう考えて、何を判断したか」という思考の過程になります。
これは裏を返せば、朗報でもあります。
デザインが作れなくても、コードが書けなくても、考え方さえ示せればポートフォリオは成立するということだからです。
採用側・発注側が実際に見ている3点

| 見られている点 | 何で判断されるか |
|---|---|
| 要件を整理できるか | クライアントの要望を、作るものの条件に翻訳できているか |
| 進行を設計できるか | 工程・体制・スケジュールを自分で組み立てられるか |
| 成果で語れるか | 「作りました」でなく「何を狙って、どうなったか」を説明できるか |
逆に、あまり見られていないのがこの2つです。
- ポートフォリオ自体のデザイン性……見やすさは必要ですが、凝ったデザインは評価対象になりません
- 担当した案件の知名度……有名企業の案件でも、自分の担当範囲が曖昧なら評価されません
実績がなくても作れる「架空案件」という方法
未経験の方が最初にぶつかるのが「載せる実績がない」問題です。
結論から言うと、架空案件で問題ありません。
むしろ実務経験者でも、守秘義務で実案件を出せずに架空案件を使うことがあります。
ポイントは、架空でも実在する企業・サービスを題材にすること。
完全な空想だと条件設定が甘くなり、思考の質が見えないからです。
作り方はシンプルです。
実在の企業サイトを1つ選び、「自分ならこう改善する」を要件定義書とワイヤーフレームに落とす。
これだけで、上の3点すべてを示せる成果物になります。
架空案件を作る4ステップ
- STEP1:題材を選ぶ:自分が詳しい業界の中小企業サイトが最適。大企業サイトは前提条件が複雑すぎます
- STEP2:課題を仮定する:「問い合わせが少ない」「スマホで読みにくい」など、サイトを見て気づいた点を課題として設定
- STEP3:要件に翻訳する:課題に対して、何を作れば解決するのかを言語化。ここが評価の中心です
- STEP4:形にする:要件定義書1枚+ワイヤーフレーム数枚+スケジュール表。デザインまで作る必要はありません
注意点として、架空案件であることは必ず明記してください。
実案件のように見せると、それだけで信用を失います。
そのまま使える構成テンプレート【6項目】

1案件につき、この6項目で書きます。
1案件あたり2〜3ページ、全体で3案件ほどあれば十分です。
案件ページの構成テンプレート
1. 案件概要:クライアント業種/制作物/期間/体制(架空案件の場合はその旨を明記)
2. 担当範囲:自分がどこからどこまでをやったか(ここを曖昧にしない)
3. 課題:クライアントが抱えていた問題を1〜2行で
4. 打ち手と、その理由:何をどう作ることにしたか。なぜそう判断したかを必ず添える
5. 工夫した点・苦労した点:進行上の判断や、関係者との調整で気をつけたこと
6. 結果と学び:数値があれば記載。
なければ「次はこうする」でも可
最も差がつくのは4番の「その理由」です。
「トップページを刷新した」だけでは誰でも書けますが、「離脱が多い原因を導線と仮定し、最初の画面で結論を出す構成に変えた」まで書けると、思考の質が伝わります。
転職用と案件獲得用で、変えるべきところ
同じポートフォリオでも、見る相手が違えば刺さる中身が変わります。
| 転職・就職用 | 副業・フリーランスの案件獲得用 | |
|---|---|---|
| 相手の関心 | チームで働けるか・伸びしろがあるか | 任せて大丈夫か・すぐ動けるか |
| 強調する点 | 学習意欲・コミュニケーション・成長過程 | 対応できる範囲・レスポンスの早さ・進行の型 |
| 案件数 | 3案件程度をじっくり | 1案件を深く+対応可能な業務の一覧 |
| 形式 | PDFやスライド | すぐ共有できるWebページやPDF1枚 |
案件獲得用では、ポートフォリオ本体より提案文とセットでどう見せるかのほうが効きます。
提案文の書き方はWebディレクター副業の始め方と案件の取り方にテンプレつきでまとめています。
やりがちな失敗3つ
- 成果物の画像だけを並べる:デザイナーのポートフォリオの真似をしてしまうパターン。判断の過程がないと評価されません
- 担当範囲を大きく見せる:面接や打ち合わせで深掘りされると必ず露見します。範囲は正直に、その中身を濃く書くほうが強い
- 作って終わりにする:案件を1つこなすたびに更新する。更新の習慣がある人ほど、機会が来たときに動けます
ポートフォリオより先に、実は必要なもの

ここまで作り方を書いてきましたが、正直な話をします。
ポートフォリオで詰まる人の多くは、書き方が分からないのではなく、書く中身になる「判断の型」を持っていないのが原因です。
要件定義の順番、工程の切り方、見積もりの考え方。
この型がないまま架空案件を作ろうとすると、手が止まります。
逆に型さえあれば、題材を変えて何案件でも作れます。
| 独学で進む | 伴走つきで進む | |
|---|---|---|
| 判断の型 | 断片的な情報から自分で組み立てる | 実務の型に沿って学べる |
| 成果物の質 | 実務レベルか自分で判定できない | 実案件モチーフの課題を添削してもらえる |
| 案件の取り方 | 情報が少なく、ここで止まりやすい | 提案文の添削など獲得まで支援 |
ビーフリ(Webディレクター・案件獲得特化スクール)
運営は実際にWeb制作を行う制作会社。
実案件をモチーフにした課題に取り組むので、取り組んだ課題がそのままポートフォリオになります。
マンツーマンの添削・営業サポートで、案件獲得のその先、継続・単価アップまで支援。
カリキュラムと営業サポートへの自信から、全額返金保証つき。
「それでも不安」という方へ
「架空案件だと評価されないのでは」
されます。
見られているのは実績の華やかさではなく思考の過程なので、題材が架空でも中身が濃ければ評価されます。
「デザインツールが使えません」
ワイヤーフレームは手書きでも、無料ツールでも構いません。
ディレクターに求められるのは作図の美しさではなく、構造の妥当性です。
「そもそも自分に向いているか分からない」
1分の適性診断で、向いているかどうかと、向いているならどのタイプのWebディレクター寄りなのかまで確かめられます。
無料・約1分でわかる
Webディレクター適性診断
6つの質問に答えるだけ!あなたがWebディレクターに向いているかを診断します。
収入を保証するものではありません。
「自分の経歴で何を載せればいいか相談したい」という方は、無料説明会でどうぞ。
今の状況に合わせて、最初の1本の作り方を一緒に整理します。
オンライン・60分・個別/無理な勧誘はありません。
お話しして「うちで理想の未来が叶いそう」と感じた方にだけ、ご案内しています。
よくある質問
ポートフォリオは何案件あればいいですか?
3案件が目安です。
数を増やすより、1案件あたりの中身(判断の理由)を濃くするほうが評価されます。
実務経験がある場合、守秘義務のある案件はどう書きますか?
クライアント名を伏せ、「業種・規模・自分の担当範囲・課題・打ち手」だけを書けば問題ないケースが多いです。
迷う場合は前職の規定を確認し、公開できる範囲に絞ってください。
Webサイト形式とPDF、どちらがいいですか?
相手にとって開きやすい形が正解です。
転職ではPDFやスライド、案件獲得ではURLで即共有できるWebページが便利という使い分けが一般的です。
ポートフォリオがあれば未経験でも案件は取れますか?
取れる可能性は大きく上がりますが、それだけでは足りません。
提案文とセットで初めて機能します。
実際の進め方はWebディレクターになるには?もあわせてどうぞ。
まとめ
- 見られているのは作品ではなく「どう考えて、何を判断したか」
- 実績ゼロでも、実在企業を題材にした架空案件で作れる(架空である旨は明記する)
- 1案件6項目のテンプレで書く。差がつくのは「その打ち手を選んだ理由」
- 転職用と案件獲得用では、強調する点と形式を変える

