専門学校の入学資格は学校教育法で学歴だけが決められていて、年齢の上限はありません。
実際、令和7年度に専門課程へ入学した25万4,058人のうち、その年の3月に高校を卒業した人は16万5,008人で、残りの8万9,050人は高校新卒ではない入学者でした。
この記事では、社会人が入り直すときに最初に詰まる3つの点、つまり「何年通うのか」「働きながら通えるのか」「学費をどう用意するのか」を、公的統計と法令、それに各校の公式募集要項だけで整理します。
この記事でわかること
- 専門課程の入学者のうち、高校新卒ではない人が何人いるか(年齢・学歴・就業状況の実数)
- 修業年限は何年が多いか。分野ごとに2年制・3年制・4年制のどれが標準になるか
- 夜間や昼夜に授業を行う学科は全国で何パーセントか。分野によってどれだけ差があるか
- 通信で資格を取れる分野と、法令上それができない分野の切り分け
- 同じ学校の昼間部と夜間部で、卒業までの学費がいくら違うか(公式の学費表で比較)
- 社会人が使えるのは教育訓練給付か修学支援新制度か。取り違えやすい要件の違い
- 仕事を辞める前に確認しておく順番と、辞めずに済ませる選択肢
社会人が専門学校に入るとき、決めることは3つ
専門学校は、専修学校のうち専門課程を置く学校です。
学校教育法第126条第2項により、専門課程を置く専修学校だけが「専門学校」という名称を名乗れます。
名乗れるのは都道府県知事などの認可を受けた学校に限られます。
入学資格は同じ法律の第125条第3項に書かれています。
高等学校もしくはこれに準ずる学校または中等教育学校を卒業した人、および文部科学大臣の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められた人、です。条文に年齢の要件はありません。高校を出ていれば、卒業から何年経っていても出願できます。
高校を中退した場合は、高等学校卒業程度認定試験に合格すれば資格を満たします。
出典: 学校教育法(昭和22年法律第26号)第125条第3項・第126条第2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000026 (2026年9月11日確認)
ここから先で迷う人が多いのですが、社会人の再進学で決めることは、実質3つしかありません。
- 1. 分野を決める。専門学校は入学の時点で学科と職業がほぼ決まります。分野を後から変えるのは、学び直しをもう一度やるのとほぼ同じ負担になります
- 2. 通い方を決める。昼間部だけか、夜間や昼夜開講があるか、通信で資格を取れるか。これは分野によって選べる幅がまったく違います
- 3. お金の出どころを決める。雇用保険の教育訓練給付を軸にするのか、世帯収入にもとづく修学支援新制度を軸にするのか。社会人の場合、この2つは片方しか当てはまらないことがほとんどです
この3つは独立していません。
たとえば夜間部に通うと、雇用保険の教育訓練支援給付金は受け取れません。
逆に昼間部に通って給付金を受けながら学ぶなら、働き続ける前提が崩れます。通い方とお金の決め方は必ずセットで考えてください。順番としては、分野を決める、その分野に夜間や通信があるかを調べる、そこで残った候補にどの制度が使えるかを当てる、という流れになります。
以下では、この3つをそれぞれ実数で確かめていきます。
分野の探し方や8分野の中身そのものは、専門学校の種類と8分野・学費の相場に分けて整理しています。
入学者の3人に1人は高校新卒ではない
まず「浮かないか」という不安のほうから片付けます。
文部科学省の学校基本調査によると、令和7年度に専修学校の専門課程へ入学したのは25万4,058人です。
このうち、令和7年3月に高等学校または中等教育学校の後期課程を卒業した人は16万5,008人でした。差し引き8万9,050人、全体の35.1パーセントは高校新卒ではありません。
| 入学時の年齢 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 17歳 | 194人 | 0.1パーセント |
| 18歳 | 149,949人 | 59.0パーセント |
| 19歳 | 20,871人 | 8.2パーセント |
| 20歳から24歳 | 54,502人 | 21.5パーセント |
| 25歳から29歳 | 17,448人 | 6.9パーセント |
| 30歳から34歳 | 4,233人 | 1.7パーセント |
| 35歳から39歳 | 2,203人 | 0.9パーセント |
| 40歳から44歳 | 1,692人 | 0.7パーセント |
| 45歳から49歳 | 1,085人 | 0.4パーセント |
| 50歳から54歳 | 875人 | 0.3パーセント |
| 55歳から59歳 | 526人 | 0.2パーセント |
| 60歳から64歳 | 326人 | 0.1パーセント |
| 65歳以上 | 153人 | 0.1パーセント |
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出典: 文部科学省「令和7年度学校基本調査」統計表245「年齢別入学者数(専門課程)」(令和7年5月1日現在) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001011528 (2026年9月11日確認)。
年齢不詳1人は表から省略。
構成比は編集部が計算
20歳以上で入学した人は8万3,043人(32.7パーセント)、25歳以上は2万8,541人(11.2パーセント)、30歳以上は1万1,093人(4.4パーセント)です。
この8万9,050人には、大学や短大を出てから入った人、働きながら入った人のほか、浪人して入った人や外国の学校を出た留学生も含まれます。
全員が社会人というわけではありませんが、18歳で高校から上がってくる人だけの教室ではないことは、この数字で確かめられます。
「30代からでは遅いのでは」という質問をよく見かけますが、30歳以上の入学者が毎年1万人以上いて、40代以上に絞っても4,657人います。
学年に1人だけ年上、という状況はあまり起きません。
特に医療系や福祉系の3年制課程では、社会人経験のある学生がまとまって入ってきます。
大学を出てから入り直す人、働きながら入る人
もう少し細かい内訳も公表されています。
同じ令和7年度の専門課程入学者のうち、大学・短期大学・高等専門学校の卒業者は1万1,984人(4.7パーセント)でした。
内訳は大学1万170人、短期大学1,671人、高等専門学校143人です。
また、入学の時点で就業している人が6,292人(2.5パーセント)いました。
これは学校基本調査が別枠で集計している数字で、仕事を続けたまま専門課程に在籍している人が、毎年6千人規模でいるということです。
| 区分 | 人数 | 専門課程入学者に占める割合 |
|---|---|---|
| 専門課程の入学者(全体) | 254,058人 | 100パーセント |
| うち令和7年3月の高校等卒業者 | 165,008人 | 64.9パーセント |
| 高校新卒以外(差し引き) | 89,050人 | 35.1パーセント |
| うち大学・短大・高専の卒業者 | 11,984人 | 4.7パーセント |
| うち入学時点で就業している人 | 6,292人 | 2.5パーセント |
表は横にスクロールできます
出典: 文部科学省「令和7年度学校基本調査」統計表239「卒業年次別入学者数(再掲)」・統計表240「入学者のうち就業している者の数(再掲)」・統計表241「専門課程入学者のうち大学等卒業者数(再掲)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001011528 (2026年9月11日確認)。
割合は編集部が計算
学校全体の規模も押さえておきます。
令和8年度学校基本調査の速報値(令和8年5月1日現在、2026年8月26日公表)では、専門学校は全国に2,647校、生徒数は58万229人で、前年度より1万1,122人増えました。
大学や短期大学が定員割れの話題ばかりになっている一方で、専門学校の生徒数は増えています。
(文部科学省「令和8年度学校基本調査の公表について(速報)」 https://www.mext.go.jp/content/20260826-mxt_chousa01-000050842_01.pdf )
専門学校は何年通うのか。2年制が半分、3年制が3分の1
社会人が最初に知りたいのは、たいてい年数です。
仕事を離れる期間か、二重生活を続ける期間が、そのまま年数で決まるからです。
全国の専門課程の生徒56万9,107人を修業年限で分けると、次のようになります。
| 修業年限 | 生徒数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 1年 | 19,282人 | 3.4パーセント |
| 1年1か月から1年11か月 | 4,116人 | 0.7パーセント |
| 2年から2年11か月 | 302,220人 | 53.1パーセント |
| 3年から3年11か月 | 188,750人 | 33.2パーセント |
| 4年以上 | 54,739人 | 9.6パーセント |
表は横にスクロールできます
出典: 文部科学省「令和7年度学校基本調査」統計表233「修業年限別学科別生徒数(専門課程)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001011528 (2026年9月11日確認)。
構成比は編集部が計算
2年制が53.1パーセント、3年制が33.2パーセントで、この2つで86.3パーセントを占めます。ただし、この平均は分野を混ぜた数字なので、自分が狙う分野に当てはめないと意味がありません。
年限は学校の方針で決まっているのではなく、多くは資格の養成課程として法令が求める最短期間で決まります。
分野ごとに、どの年限が標準になるか
| 学科 | 生徒数 | 最も多い修業年限 | その年限の割合 |
|---|---|---|---|
| 看護 | 72,094人 | 3年制 | 92パーセント |
| 歯科衛生 | 19,523人 | 3年制 | 100パーセント |
| 柔道整復 | 9,082人 | 3年制 | 99.5パーセント |
| はり・きゅう・あんま | 9,569人 | 3年制 | 99パーセント |
| 理学・作業療法 | 26,657人 | 3年制50パーセント/4年以上49パーセント | 二分される |
| 美容 | 37,387人 | 2年制 | 96パーセント |
| 介護福祉 | 10,729人 | 2年制 | 98パーセント |
| 旅行 | 14,474人 | 2年制 | 95パーセント |
| 製菓・製パン | 10,081人 | 2年制 | 82パーセント |
| 調理 | 12,642人 | 2年制72パーセント/1年制24パーセント | 短期の選択肢あり |
| 保育士養成 | 10,760人 | 2年制63パーセント/3年制36パーセント | 学校差が大きい |
| 情報処理 | 38,049人 | 2年制51パーセント/3年制27パーセント/4年以上22パーセント | 3つに割れる |
| デザイン | 22,710人 | 2年制48パーセント/3年制37パーセント/4年以上14パーセント | 3つに割れる |
表は横にスクロールできます
出典: 文部科学省「令和7年度学校基本調査」統計表233「修業年限別学科別生徒数(専門課程)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001011528 (2026年9月11日確認)。
割合は編集部が計算し、小数第1位を四捨五入
3年以上になる分野は、ほぼ全部が国家資格の養成課程です。
看護師については保健師助産師看護師学校養成所指定規則の第4条第1項第2号が「修業年限は、三年以上であること」と定めています。
理学療法士・作業療法士も、理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則で3年以上です。
歯科衛生士も歯科衛生士学校養成所指定規則で3年以上と決まっています。
つまり「もっと早く卒業できる学校を探す」という手は、この分野では効きません。探しても見つからないものを探して時間を使うより、3年という前提でお金と仕事の計画を立てるほうが早いです。
出典: 保健師助産師看護師学校養成所指定規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000180001 /理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/341M50000180003 /歯科衛生士学校養成所指定規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50000180001 (いずれも2026年9月11日確認)
働きながら通えるか。夜間や昼夜の学科は全国で5.4パーセント
ここが、この記事でいちばん時間をかけて調べた部分です。
「夜間部がある」「通信制もある」と書いている記事は多いのですが、どの分野にどれくらいあるのかを数えた情報はほとんど見当たりません。実際に数えると、分野による差はかなり極端でした。
学校基本調査は、専修学校の学科を「昼間」と「その他」に分けて集計しています。
ここでいう「昼間」は昼間のみに授業を行う学科、「その他」は夜間または昼夜にわたり授業を行う学科です。
令和7年度の専門課程は全国で8,537学科あり、内訳は昼間8,080学科、夜間または昼夜が457学科でした。働きながら通える形の学科は、全体の5.4パーセントしかありません。
| 学科 | 専門課程の学科数 | うち夜間または昼夜 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 診療放射線 | 17 | 4 | 23.5パーセント |
| はり・きゅう・あんま | 142 | 30 | 21.1パーセント |
| 社会福祉 | 74 | 14 | 18.9パーセント |
| 柔道整復 | 114 | 21 | 18.4パーセント |
| 和洋裁 | 363 | 54 | 14.9パーセント |
| 電気・電子 | 53 | 7 | 13.2パーセント |
| 理学・作業療法 | 310 | 38 | 12.3パーセント |
| 土木・建築 | 219 | 25 | 11.4パーセント |
| 教員養成 | 65 | 7 | 10.8パーセント |
| 歯科衛生 | 179 | 17 | 9.5パーセント |
| 外国語 | 153 | 13 | 8.5パーセント |
| 保育士養成 | 169 | 14 | 8.3パーセント |
| 調理 | 248 | 14 | 5.6パーセント |
| 経理・簿記 | 216 | 11 | 5.1パーセント |
| 看護 | 621 | 29 | 4.7パーセント |
| デザイン | 340 | 16 | 4.7パーセント |
| 美容 | 305 | 11 | 3.6パーセント |
| 情報処理 | 595 | 21 | 3.5パーセント |
| 旅行 | 248 | 7 | 2.8パーセント |
| 製菓・製パン | 157 | 2 | 1.3パーセント |
| ビジネス | 307 | 3 | 1.0パーセント |
| 自動車整備 | 242 | 2 | 0.8パーセント |
| 介護福祉 | 214 | 1 | 0.5パーセント |
| 栄養 | 35 | 0 | 0パーセント |
| 通訳・ガイド | 43 | 0 | 0パーセント |
| 農業 | 90 | 0 | 0パーセント |
| 専門課程の合計 | 8,537 | 457 | 5.4パーセント |
表は横にスクロールできます
出典: 文部科学省「令和7年度学校基本調査」統計表226「課程別学科数」・統計表228「学科別学科数」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001011528 (2026年9月11日確認)。
同調査の注記により「昼間」は昼間のみに授業を行う学科、「その他」は夜間または昼夜にわたり授業を行う学科。
割合は編集部が計算
この表を作って、編集部として意外だったのは介護福祉でした。
214学科のうち夜間または昼夜は1学科だけです。
ところが法令のほうを見ると、社会福祉士介護福祉士学校指定規則の第2条第2項が、介護福祉士の養成課程を「昼間課程及び夜間課程とする」と定めていて、同じ規則の第5条第2号は夜間課程の修業年限を3年以上としています。
つまり制度としては夜間課程を置けるのに、全国で1学科しか置かれていないということです。
人手が足りないと言われ続けている分野で、働きながら資格を取る受け皿が用意されていません。
逆に、はり・きゅう・あんまや柔道整復は2割前後が夜間または昼夜です。
この分野は施術所での勤務と並行して学ぶ人が多く、学校側も夜間を前提に組んでいます。
社会福祉が18.9パーセントと高いのは理由が別で、社会福祉士の養成課程は指定規則の第2条第1項で昼間課程・夜間課程・通信課程の3つが認められているからです。
同じ「福祉」でも、介護福祉士と社会福祉士では通いやすさがまったく違います。
上の表は割合の読み方に注意してください。
診療放射線のように全国で17学科しかない分野は、1学科増えるだけで割合が6ポイント動きます。
分母が小さい行は目安として見てください。
そのうえで、「制度としてある」と「近くで選べる」は別の話です。
分野の平均が10パーセントを超えていても、その学科が通える範囲にあるとは限りません。
夜間や昼夜の学科は都市部に偏ります。
まず分野で絞り、次に自分が通える圏内で夜間や昼夜の学科がいくつ残るかを数えてください。
1校も残らないなら、その分野は「仕事を続けたまま」の前提が成立しないので、辞めて通う覚悟をするか、分野を変えるかの判断になります。
通信で資格を取れる分野と、法令上それができない分野
通信はさらに絞られます。
国家資格の養成課程で通信の課程が認められているかどうかは、資格ごとの指定規則で決まっていて、学校の努力では動かせません。
主なものを条文で確認しました。
| 資格・分野 | 通信の課程 | 条件と年限 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 看護師(高卒から入る3年課程) | なし | 修業年限3年以上。通信制の規定は置かれていない | 保健師助産師看護師学校養成所指定規則 第4条第1項 |
| 看護師(准看護師からの2年課程) | あり | 修業年限2年以上。通信制の課程は、免許を得た後5年以上業務に従事している准看護師だけが入学できる | 同 第4条第2項第1号ただし書 |
| 美容師 | あり | 昼間課程・夜間課程は2年以上、通信課程は3年以上。通信は1年長い | 美容師養成施設指定規則 第3条第1項 |
| 介護福祉士(高卒から入る2年の養成課程) | なし | 養成課程は昼間課程と夜間課程の2つ。修業年限は2年以上で、夜間課程は3年以上 | 社会福祉士介護福祉士学校指定規則 第2条第2項・第5条第2号 |
| 介護福祉士(実務経験ルートの課程) | あり | 介護等の業務に3年以上従事した人が6か月以上学ぶ課程。この課程は昼間課程・夜間課程・通信課程の3つ | 社会福祉士及び介護福祉士法 第40条第2項第5号/同指定規則 第2条第1項 |
| 社会福祉士 | あり | 一般養成施設・短期養成施設の課程は昼間課程・夜間課程・通信課程の3つ | 社会福祉士及び介護福祉士法 第7条第2号・第3号/同指定規則 第2条第1項 |
| 理学療法士・作業療法士 | なし | 修業年限3年以上。通信制の規定は置かれていない | 理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則 |
| 歯科衛生士 | なし | 修業年限3年以上。通信制の規定は置かれていない | 歯科衛生士学校養成所指定規則 |
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出典: 保健師助産師看護師学校養成所指定規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000180001 /美容師養成施設指定規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/410M50000100008 /社会福祉士介護福祉士学校指定規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/420M60000180002 /社会福祉士及び介護福祉士法 https://laws.e-gov.go.jp/law/362AC0000000030 /理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/341M50000180003 /歯科衛生士学校養成所指定規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50000180001 (いずれも2026年9月11日確認)
看護師の2年課程(通信制)は、条件に気をつけてください。
誰でも通信で看護師になれるわけではなく、准看護師の免許を取ったあとに5年以上働いた人だけが対象です。
この要件は改正で短くなったもので、古い解説記事には7年と書かれたものが残っています。
出願前に志望校の最新の募集要項で確かめてください。
准看護師の資格を持っていない人にとっては、入口そのものが開いていません。
美容師の通信課程は、年限が1年長くなる代わりに、働きながらの学習を前提に組まれています。
介護福祉士も、高卒から入る養成課程で夜間課程を選ぶと、修業年限が2年から3年へ1年延びます。通いやすさを取ると期間が延びる、という交換は多くの分野で共通です。期間が延びれば、その分だけ学費の総額も生活の負担も動きます。
夜間や通信を選ぶときは、年限が変わるかどうかを募集要項で先に確かめてください。
実在する学校の募集要項で確かめる
数字と条文だけでは「で、どこにあるのか」が分かりません。
編集部で、夜間部や通信課程を実際に置いている学校の公式ページを開いて、年限と時間帯を確認しました。
すべて2026年9月11日に公式サイトで確認した内容です。
| 学校(分野) | 形態と年限 | 授業の時間帯など |
|---|---|---|
| 専門学校社会医学技術学院(理学療法士) | 昼間部3年制/夜間部4年制 | 夜間部は18時00分から21時10分。90分授業を1日2コマ。東京都小金井市 |
| 日本電子専門学校(IT・電気) | 夜間部は4学科のみ。電気工学科2年制、情報処理科2年制、ネットワークセキュリティ科2年制、電気工事士科1年制 | 昼間部は21学科あるのに対し、夜間部は4学科。CG・ゲーム・アニメ・デザイン系の学科は夜間部に置かれていない |
| 東京衛生学園専門学校(看護・通信制) | 看護学科二年課程(通信制)2年制 | 面接授業は2年間で約35日、月2回の登校(平日または週末)。各領域で平日2日間の見学実習。公式サイトに「仕事をしながら自宅で勉強を進められます」と記載 |
| 日本美容専門学校(美容師) | 専門科に昼間部と夜間部、ほかに通信科3年制 | 通信科は入学が4月と10月の年2回、定員200名、出願資格は中学校卒業以上。東京都新宿区 |
| アミューズメントメディア総合学院(声優・クリエイター) | 昼間部の本科は2年制。声優専科(夜間・日曜)は基礎コースと研究コースが半年制、マスターコースが1年制 | 専科は平日19時00分から21時30分、日曜は10時00分から12時30分と14時00分から16時30分。マスターコースは平日18時30分から21時40分。対象は中学生以上30歳未満と記載 |
表は横にスクロールできます
出典: 各校公式サイト(2026年9月11日確認)。
https://www.sigg.ac.jp/ および https://www.sigg.ac.jp/ptnightlp/ (夜間部の時間帯) / https://www.jec.ac.jp/entrance/support/ / https://www.teg.ac.jp/cc/nurse/ / https://www.nichibi.com/course/correspondence/ / https://www.amgakuin.co.jp/course/voice/faculty-senka
日本電子専門学校の昼間部と夜間部の学科数の差は、そのまま「夜間で学べる分野の狭さ」を表しています。
IT系や電気系は夜間部が成立しますが、CGやゲーム、アニメーションのように機材と制作時間を大量に使う分野は、同じ学校でも夜間には置かれていません。クリエイター系は「夜間部がある学校を探す」よりも、短期のコースや専科を使うほうが現実的です。
分野が決まったら、同じ分野の学校をまとめて資料請求して、夜間部の有無と時間割を横に並べるのが早いです。
夜間や昼夜の学科は公式サイトの学科一覧にしか出ていないことが多く、募集要項の紙面でしか分からない部分も残ります。なるには進学サイトで学校を探して資料請求する
学費は昼間部と夜間部でどれだけ違うか
夜間部は学費が安い、という説明をよく見ます。
これも実額で確かめました。
同じ学校の公式の学費表から、昼間部と夜間部を並べます。
| 学校・学科 | 年限 | 卒業までの学費 | 内訳の要点 |
|---|---|---|---|
| 社会医学技術学院 理学療法学科 昼間部 | 3年 | 426万円 | 初年度166万円(入学金36万円、授業料80万円、施設設備費25万円、教材実習費25万円)、2年次以降は年130万円 |
| 社会医学技術学院 理学療法学科 夜間部 | 4年 | 408万円 | 初年度129万円、2年次以降は年93万円 |
| 日本電子専門学校 情報処理科 昼間部 | 2年 | 2,474,000円 | 諸費用・教科書代・教育費は含まれていない |
| 日本電子専門学校 情報処理科 夜間部 | 2年 | 1,315,000円 | 同上 |
| 東京衛生学園専門学校 看護学科(3年制・通学) | 3年 | 3,672,000円 | 入学時581,000円(入学金300,000円、施設管理料281,000円)、1年次843,000円、2年次と3年次は各1,124,000円。ほかに諸費用が約221,000円 |
| 東京衛生学園専門学校 看護学科二年課程(通信制) | 2年 | 公式の学費表の記載は1,190,000円 | 入学時522,500円(入学金300,000円、教育料217,500円、通信料5,000円)、以後は各期225,000円 |
表は横にスクロールできます
出典: 各校公式サイトの学費ページ(2026年9月11日確認)。
https://www.sigg.ac.jp/admission/tuition/ / https://www.jec.ac.jp/entrance/support/ (2026年度の納入金) / https://www.teg.ac.jp/cc/nurse/college_fee/ (2026年度の納入金)。
いずれのページにも税込か税抜かの記載はありませんでした
読み方が2通りに分かれます。
日本電子専門学校のように同じ学科名・同じ2年制で昼間部と夜間部が並んでいる場合、差は115万9,000円です。
夜間部は昼間部の53パーセントほどの学費で、同じ2年で卒業します。
授業時間数そのものが違うので中身も同じではありませんが、働きながら通うなら選ぶ理由がはっきりしています。
一方、社会医学技術学院のように年限が変わる場合は、総額だけを見ても判断できません。
夜間部は4年で408万円、昼間部は3年で426万円。
総額の差は18万円しかないのに、通う期間は1年長くなります。
夜間部を選ぶ理由は学費ではなく、その4年間ずっと働いて収入を確保できることのほうです。年限が延びる場合、比べるのは学費の総額ではなく、失う収入と得られる収入の差です。
東京衛生学園専門学校の2つは、そもそも入口が違う課程どうしの比較です。
3年制の看護学科は高校卒業から入る課程で367万2,000円、通信制の二年課程は准看護師として5年以上働いた人だけが入れる課程で119万円。
金額だけを見て安いほうを選ぶ、という比べ方はできません。
准看護師の資格を持っているかどうかで、そもそもどちらに出願できるかが決まります。
学費表を比べるときの注意点を3つ。
1つめは、「授業料」に何が含まれるかが学校ごとに違うこと。
実習費、設備費、教材費が別立ての学校と、まとめて授業料に入っている学校があります。
2つめは、納入金に入っていない費用があること。
日本電子専門学校の学費ページには「上記の納入金額にはその他諸費用、教科書代、教育費は含まれていません」と明記されています。
3つめは、資格の受験料が別にかかること。
募集要項では総額と別の欄に書かれていることが多いので、卒業までに払う金額を1本の表に自分で足し直してください。
社会人が使えるお金の制度は、ほぼ教育訓練給付のほう
学費の話をしたら、次は制度です。
専門学校で名前が挙がる公的支援は主に2つありますが、社会人が入り直す場合、この2つのうち片方はほぼ使えません。取り違えると資金計画が丸ごとずれるので、ここは条文に近い形で書きます。
| 制度 | 支給の中身 | 主な要件 | 社会人の適合 |
|---|---|---|---|
| 専門実践教育訓練給付金(厚生労働省) | 教育訓練経費の最大80パーセント。受講中は50パーセント(年間上限40万円)、資格を取得して就職すると20パーセントを追加(年間上限16万円)、訓練修了後の賃金が受講開始前より5パーセント以上上がるとさらに10パーセントを追加(年間上限8万円) | 受講開始日に雇用保険の支給要件期間が3年以上あること。初めて教育訓練給付金を受ける場合は2年以上。離職者は離職日の翌日から1年以内に受講を開始すること(延長の申し出があれば最大20年)。対象は厚生労働大臣の指定講座で、専門学校の職業実践専門課程が含まれる | 働いた期間が長いほど有利。社会人の主軸になる |
| 教育訓練支援給付金(厚生労働省) | 雇用保険の基本手当の日額の60パーセント | 専門実践教育訓練給付金の受給資格があり、受講開始日に被保険者でないこと。受講開始時に45歳未満であること。夜間に授業を行う講座や通信制など、就業を継続して受けられる講座は対象外。受講開始日が令和9年3月31日以前であること | 仕事を辞めて昼間部に通う人だけが対象 |
| 高等教育の修学支援新制度(文部科学省) | 私立専門学校の授業料等減免の上限は入学金16万円・授業料59万円(いずれも年額)。給付型奨学金は私立で自宅46万円・自宅外91万円(年額) | 世帯収入などの要件に加えて、給付奨学金の申込資格に「高等学校等を初めて卒業した日の属する年度の翌年度の末日から入学日までが2年を経過していない」という条件がある | 高校卒業から2年を超えた人は基本的に対象外 |
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出典: 厚生労働省「専門実践教育訓練の教育訓練給付金のご案内」 https://www.mhlw.go.jp/content/001529622.pdf /文部科学省「高等教育の修学支援新制度について」 https://www.mext.go.jp/content/20250620-mxt_gakushi_100001062_01.pdf および https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/ /日本学生支援機構「進学後(在学採用)の給付奨学金の申込資格」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kyufu/shikaku/zaigaku.html (いずれも2026年9月11日確認)
整理すると、こうなります。
修学支援新制度は「高校を出てすぐ進学する人」を前提に設計されているので、社会人経験を経てから入り直す人はほとんど外れます。代わりに、働いた期間そのものが要件になるのが専門実践教育訓練給付金です。雇用保険に3年以上入っていた人、初めて受給するなら2年以上入っていた人が対象で、社会人にはこちらが当てはまります。
ただし「支給要件期間」の数え方には癖があります。
厚生労働省の案内では、同一の事業主に引き続いて被保険者として雇用された期間を指し、その前に別の事業主のもとで働いた期間があって空白が1年以内なら、両方を通算します。
転職を挟んでいても足せる場合があるということです。
一方で、過去に教育訓練給付金を受けたことがある人は、そのときの受講開始日より前の期間は通算されません。自分で数えて足りないと判断する前に、ハローワークで確認してください。
給付金で見落としやすい5点
- 1. 手続きの期限が先にある。受給資格確認はハローワークで、原則として受講開始日の2週間前までです。入学が決まってから動くと間に合わないことがあります
- 2. 受講開始前にキャリアコンサルティングを受ける必要があります。これも受講開始前に済ませる手順です
- 3. 10年間の支給上限がある。最初に受給した受講開始日から10年を経過するまでの合計で192万円が限度です(最初の受講開始日が令和6年9月30日以前の場合は168万円)
- 4. 直前の受給が響く。今回の受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けていると、専門実践教育訓練給付金は支給されません
- 5. 対象になる経費が限られる。入学料と受講料の合計だけで、検定試験の受験料、交通費、パソコンなどの器材費、必ずしも必要とされない補助教材費は含まれません
通い方と給付金の関係で、いちばん取り違えやすいところを書いておきます。
専門実践教育訓練給付金は夜間でも通信でも受けられますが、教育訓練支援給付金のほうは、夜間に授業を行う講座や通信制など、就業を継続して受けられる講座は対象外です。つまり「仕事を辞めて生活費の支援を受けながら学ぶ」ルートは、昼間通学制に限られます。
夜間部を選ぶのであれば、生活費は自分の給与で賄う前提になります。
この給付金には受講開始時に45歳未満という年齢要件と、受講開始日が令和9年3月31日以前という期限もあります。
その学科が給付の対象かを、出願の前に確かめる
専門実践教育訓練の対象になるのは、厚生労働大臣が指定した講座です。
専門学校の場合は職業実践専門課程が指定の対象に入ります。
この認定は文部科学大臣が行っていて、令和8年3月31日現在で1,144校、3,289学科が認定を受けています。
文部科学省が同じ資料で母数としている専門学校2,658校に対して43.0パーセント、修業年限2年以上の学科7,201学科に対して45.7パーセントです。学校の数でいえば4割強で、残りは対象になりません。
候補校を並べる段階で、職業実践専門課程の認定を受けているか、その学科が指定講座になっているかを先に確かめてください。
給付金を前提に資金計画を立ててから対象外だと分かると、計画の作り直しになります。
出典: 文部科学省「専門学校(専修学校専門課程)における職業実践専門課程の認定等」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/mext_00023.html /厚生労働省「専門実践教育訓練の教育訓練給付金のご案内」 https://www.mhlw.go.jp/content/001529622.pdf (いずれも2026年9月11日確認)
仕事をどうするか。辞める前に決める順番
ここまでの材料がそろうと、仕事の判断ができます。
順番を逆にすると失敗しやすいので、編集部が確認できた制度の前後関係にそって並べます。
- 1. 分野と資格を確定する。この時点で年限が決まります。3年以上が必須の分野なら、2年で済ませる案は消えます
- 2. 通える圏内に夜間または昼夜の学科があるか数える。1校もなければ、仕事を続ける案はここで消えます
- 3. 候補校が職業実践専門課程の認定を受けているか、その学科が指定講座かを確認する
- 4. 在職中にハローワークで受給資格を確認する。支給要件期間が足りているか、前回の受給から3年経っているかは、自分では判断しにくい部分です
- 5. 昼間部に行く場合、教育訓練支援給付金の要件(受講開始時45歳未満・受講開始日に被保険者でない・昼間通学制)に当てはまるか見る。当てはまらないなら、生活費は貯蓄で用意する計画になります
- 6. 受講開始日の2週間前までに受給資格確認を終える。訓練前キャリアコンサルティングもこの前に済ませます
- 7. 退職日を決める。離職者として受給する場合、離職日の翌日から受講開始までが1年以内である必要があります
4番と7番を逆にして、辞めてから調べ始める人がいます。
離職してからでも受給資格の確認そのものはできますが、支給要件期間が足りていないと分かった時点で打つ手が少なくなります。在職中に一度ハローワークへ行くだけで、その後の選択肢が変わります。
なお、仕事を続けるという選択肢のなかには「専門学校に行かない」も入ります。
取りたいものが国家資格ではなく実務スキルなら、給付金の対象になっている民間の講座で足りる場合があります。
IT分野については、どのコースが給付の対象になっているかを公式確認値で並べたプログラミングスクールの料金と給付金の比較が参考になります。
学位そのものが必要なら、働きながら通える通信制大学の学費と卒業率も候補に入ります。
学校の探し方と、編集部が確認したサービス
分野と通い方が決まったら、あとは候補校を集める作業です。
夜間部や通信課程は学校数が少ないぶん、検索の入口を間違えると存在自体に気づけません。
編集部が2026年9月11日時点で公式サイトを確認できたサービスを、同じ軸で並べます。
掲載の有無で順番や評価は変えていません。
| サービス | 形態 | 社会人向けの入口 | 料金の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| なるには進学サイト | 進学情報サイト(資料請求・願書請求) | 「再進学」「通信制専門学校」「社会人講座」「通信制大学」のカテゴリを用意 | 資料請求は無料 | 分野は決まったが学校名が浮かばない人 |
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出典: 公式サイト(2026年9月11日確認)。
https://naruniha.com/
なるには進学サイト
- epassが運営する進学情報サイト。2026年9月11日時点の日本語ページの掲載は合計418校で、内訳は専門学校255校(専門学校248校・スクール7校)、大学・短大76校(大学68校・短期大学8校)、社会人講座48校(通学講座24・通信講座12・大学院1・大学公開講座11)、通信制大学34校(通信制大学27・通信制短期大学1・通信制大学院6)、通信制高校5校(通信制高校4・サポート校1)
- 専門学校の検索に「再進学」と「通信制専門学校」のカテゴリがあり、社会人の入り直しを想定した導線が分けられている。ほかに「社会人講座」「通信制大学」「通信制高校」を独立したカテゴリとして持つ
- 資料請求と願書請求に対応。日本語のほか英語・簡体字・繁体字・韓国語・ベトナム語のページを備え、それぞれ掲載校数が別に表示される
向いている人: 分野は決めたが学校名が浮かばない人。
夜間部や通信課程がある学校をまとめて取り寄せて、学費表と時間割を並べて比べたい人
こんな人には向かない。入学前に確かめること
専門学校が最適解にならない場面もあります。
当てはまるものがないか、出願前に見てください。
- 就きたい職業がまだ決まっていない人。専門学校は入学の時点で学科と職業がほぼ決まり、途中で分野を変える負担が大きくなります
- 学費を抑えることを最優先にしたい人。医療系の3年制や4年制は総額が400万円を超える例があります(この記事で確認した専門学校社会医学技術学院の理学療法学科は昼間部3年で426万円、夜間部4年で408万円)
- 高校卒業から2年以内で、世帯収入が支援の対象になる人。この場合は修学支援新制度のほうが手厚くなるので、給付金だけで決めないでください
- 取りたいものが国家資格ではなく実務スキルの人。指定講座になっている民間の講座で足りる場合があります
- 今の仕事を絶対に辞められない人で、狙う分野に夜間も通信もない場合。この条件では専門学校という手段自体が成立しません
学校ごとの差が大きい点にも注意してください。
専修学校は大学や短期大学と比べて授業時数や教員資格の規定がゆるやかで、その分だけ教育内容に学校差が出ます。
同じ分野の学科でも、授業時間数、実習の量と実習先、教員の構成はそろっていません。
就職実績を比べる場合も、「卒業者に対する就職率」と「就職希望者に対する就職率」では分母が違うので、同じ指標どうしで並べてください。
資格の合格率は、学校が公式サイトで公開していて、受験者数と合格者数の実数が併記されているものだけを使うのが安全です。
よくある質問
専門学校に年齢制限はありますか
専門課程の入学資格は学校教育法第125条第3項が学歴で定めていて、年齢の上限はありません。
令和7年度の専門課程入学者のうち、40歳以上が4,657人、65歳以上も153人います。
ただし、学校ごとに独自の年齢要件を置いているコースはあります。
たとえばアミューズメントメディア総合学院の声優専科は、公式サイトに「中学生以上、30歳未満」と記載されています。
学校全体の制限ではなく、コース単位で条件が付くことがあるので、募集要項の出願資格の欄を必ず読んでください。
働きながら通えますか
分野によります。
令和7年度の専門課程8,537学科のうち、夜間または昼夜にわたり授業を行う学科は457学科(5.4パーセント)です。
はり・きゅう・あんま(21.1パーセント)や柔道整復(18.4パーセント)、理学・作業療法(12.3パーセント)は比較的多く、介護福祉(0.5パーセント)や自動車整備(0.8パーセント)、栄養(該当なし)はほぼ昼間だけです。
まず自分の分野の数字を見て、次に通える圏内に何校残るかを数えてください。
高校を卒業してから時間が経っています。奨学金は使えますか
日本学生支援機構の給付奨学金には「高等学校等を初めて卒業した日の属する年度の翌年度の末日から入学日までが2年を経過していない」という申込資格があり、社会人として働いてから入学する人は基本的に外れます。
高等教育の修学支援新制度の授業料等減免も、この給付奨学金の採用と連動します。
一方で、雇用保険の専門実践教育訓練給付金は働いた期間が要件なので、社会人ほど当てはまります。
受給資格の確認は住所を管轄するハローワークで、受講開始日の2週間前までに行ってください。
貸与型の奨学金は年齢や卒業からの年数の要件が異なるため、そちらは別途確認が必要です。
入試は難しいですか。高校の成績は関係しますか
多くの学校が社会人向けの入試区分を設けています。
選考方法は書類審査、面接、作文や小論文が中心で、学科試験を課す場合も基礎的な内容が中心とされています。
ただし、入試方式と選考内容は学校ごとに違うので、志望校の募集要項で確認してください。
倍率や合格基準を公開していない学校も多く、他校の情報をそのまま当てはめないほうが安全です。
仕事を辞めてから学校を探しても間に合いますか
制度の面では、辞めてからだと選択肢が減ります。
教育訓練支援給付金は受講開始日に被保険者でないことが要件なので離職が前提ですが、専門実践教育訓練給付金のほうは、離職者の場合「離職日の翌日から受講開始日までが1年以内」という条件が付きます(延長の申し出をした場合は最大20年)。
受給資格の確認自体は在職中でもできるので、辞める前にハローワークで一度確認しておくと、退職日と入学時期の並べ方を間違えずに済みます。
通信で国家資格を取れますか
資格によります。
看護師は、准看護師の免許を得たあと5年以上業務に従事している人に限って2年課程(通信制)に入れます。
高校卒業から入る3年課程には通信制の規定がありません。
美容師は通信課程があり、修業期間は3年以上です(昼間課程と夜間課程は2年以上)。
介護福祉士は、高校卒業から入る2年の養成課程には通信課程がなく、昼間課程と夜間課程だけです。
介護等の業務に3年以上従事した人が6か月以上学ぶ課程のほうには通信課程があります。
一方、理学療法士・作業療法士と歯科衛生士には通信制の規定がなく、通学が前提です。
いずれも根拠は資格ごとの指定規則にあります。
まとめ
社会人が専門学校を決める前に、この5つを確認してください
- 入学資格は学歴だけで、年齢の上限はない。専門課程入学者の35.1パーセントは高校新卒ではない
- 年限は分野で決まる。看護・歯科衛生・柔道整復・はり・きゅう・あんまは3年制が標準で、短縮する方法はない
- 夜間または昼夜の学科は全国で5.4パーセント。分野によって0パーセントから23.5パーセントまで開く
- 通信で資格を取れる分野は限られる。看護師の通信制は准看護師で5年以上の実務経験がある人だけ
- 社会人の資金の軸は専門実践教育訓練給付金。修学支援新制度は高校卒業から2年のルールでほぼ外れる
社会人の再進学でつまずくのは、たいてい「調べる順番」です。
学校名から探し始めると、年限も通い方も給付金も、学校ごとにバラバラの情報として入ってきて、比べられなくなります。
先に分野を決めれば年限が決まります。
年限が決まれば、離職するか働き続けるかの選択が絞れます。
働き続けるなら、その分野に夜間や昼夜の学科が実在するかを数える。
ここで候補が残った時点で初めて、職業実践専門課程の認定と給付金の指定を当てにいく。
この順番なら、途中で計画を作り直す回数がかなり減ります。
候補が3校から5校に絞れたら、資料を同時に取り寄せて、学費表と時間割と実習の欄を並べて比べてください。
夜間部や通信課程の情報は公式サイトに全部は載っていないことが多く、紙の募集要項でしか分からない部分が残ります。